Claude Code Skillsの使い方、作り方

Claude Code Skillsの使い方、作り方のイメージ

営業現場でカスタムAIを使うとき、Geminiの「Gem」やChatGPTの「GPTs」は使う方が増えてきたと思います。ただ最近よく耳にするClaude Codeの「Skills」とは何のか、GemやGPTsとの違いが整理できていないまま使っている方は多いのではないでしょうか。「なんとなく試してみたが、結局いつもの方法に戻った」という声もよく聞きます。

本記事では、Claude Code Skillsが他のカスタムAIツールと技術的に何が違うのかを非エンジニア向けに整理し、営業担当者が30分で動くSkillsを作るためのテンプレまで提供したいと思います。

目次

Claude Code Skillsとは何か?

結論: SkillsはClaude Codeに「自分のやり方」を教える仕組みです。毎回同じ指示を貼る必要がなくなり、/コマンド一発で実行できます。

Claude Code Skillsは、Anthropicが2026年4月に正式リリースした機能で、SKILL.mdというファイルに手順・ルール・テンプレートを書いておくと、Claudeがタスクに応じて自動的に読み込んで動いてくれる仕組みです(出典: Anthropic公式ブログ)。

よく混同されるCLAUDE.mdとの違いは次の通りです。CLAUDE.mdはセッション全体に常時読み込まれる設定ファイルで、いわば「会社のルールブック」に相当します。一方、SKILL.mdは「/コマンドで呼び出したときだけ発動する専門スキル」です。毎回発動させる必要のない特殊な手順は、Skillsとして切り出しておく方が効率的です。

作り方はシンプルで、日本語のマークダウンファイルを書くだけで、プログラミング知識は不要です。ただし2点の前提があります。

  • Claude CodeのProプラン以上(月$20〜、約3,100円〜)が必要です。Freeプランでは利用不可です(2026年5月時点)
  • Claude Codeのインストール・基本操作を事前に習得していること(参考記事: Claude Codeの使い方入門

Gem・GPTs・Claude Skills——技術的な差分3点を整理

結論: Claude Skillsの技術的な優位点は3つあります。コード実行、指示文字数の上限なし、30以上のツールで動くポータビリティです。ただしGemにはリアルタイムのGoogle Drive連携、GPTsにはGPT Storeという固有の強みがあります。「全面的にSkillsが勝る」は不正確で、差分を把握したうえで選ぶのが正しいです。

差分1: コード実行がセットできる

SKILL.mdにスクリプトをセットしておくと、Claudeがそのコードを実行できます。例えば「複数の商談メモCSVを読み込んで、今月の商談サマリ・ネクストアクション一覧・確度別分類を自動出力する」という一連の処理を、Skillsとして呼び出すだけで完了できます。

GemはGUI上でのコード実行有効化が公式ドキュメント上で確認できず、現時点では不可とみられます。GPTsは「Code Interpreter」をGUI設定で有効化するとPythonコード実行・データ分析が可能ですが、Claude Skillsのようにローカルのスクリプトをセットして自律実行する仕組みとは動作が異なります。外部サービスとの接続はActionsで行います。

Gemなどではカスタム指示を入れていても、出力が毎回異なる現象が発生します。一方でコードが実行される処理(集計・ファイル変換など)は毎回同じ結果が得られます。AIが文章を生成する際には多少の揺らぎが生じますが、コード実行部分は決定論的な処理のため結果が安定します。この点もGemとの実用上の違いのひとつです。

差分2: 指示文字数に上限がない

項目Claude SkillsGemGPTs
指示文字数の上限上限なし(500行推奨)非公開(目安あり)約8,000文字

※Gemの指示文字数上限はGoogleが公式に明記していません。ユーザー報告をもとに数千文字程度の制限があるとされていますが、公式情報ではないため参考値としてご認識ください(2026年5月時点)。

Gem・GPTsでは「常にこの手順で動いてほしい」という複雑なワークフローを書き切れない場面があります。自社製品の特徴・競合比較・業界ごとの訴求文例・NGワード一覧・提案書フォーマットを全て書き込もうとすると、指示文が非常に長くなることは珍しくありません。じゃあ「知識」へファイルで添付すればよいのでは?と思っても上手く知識を見てくれないといった経験をされた方も多いのではないでしょうか。

Skillsは指示文の分量に制限がないため、詳細な手順・例外ルール・出力フォーマット指定を全て書いても動作が劣化しません。よって出力が安定します。

差分3: 同じSKILL.mdが30以上のツールで動作する(ポータビリティ)

SkillsはAgent Skillsオープンスタンダード(agentskills.io)に基づいており、Claude Code以外にもCursor・VS Code・GitHub Copilot・Gemini CLI・OpenAI Codexなどで同一ファイルが動作します。

Gemで作った設定はGeminiエコシステム内のみ、GPTsで作った設定はOpenAIエコシステム内のみで動作します。Skillsは一度作れば複数ツールで再利用できます。

GemとGPTsにもSkillsにはない固有の強みがある

「全面的にSkillsが勝る」は不正確です。それぞれ固有の強みも整理します。

項目Claude SkillsGemGPTs
コード実行不可条件付き可
指示文字数上限なし非公開(目安あり)約8,000文字
ポータビリティ30以上のツール対応Google系のみOpenAI系のみ
Google Driveリアルタイム連携MCP経由ネイティブ対応(固有優位)不可
配布エコシステムなしなしGPT Store(固有優位)
作成の手軽さ
Google Workspace連携MCP経由ネイティブ(Gmail/Drive/Calendar)Actionsで可

Skillsの3つの技術差分(コード実行・指示文無制限・ポータビリティ)は、主にローカルに保存されたファイルを複数横断して処理するケースで意味を持ちます。ブラウザ上での文書生成・質問応答・Gmail操作が中心の業務であれば、Gemで十分でしょう。

※Claude SkillsはFreeプランでは利用不可です。 Proプラン(月$20〜、約3,100円〜)以上の有料プランが必要です。料金の詳細は「Claude Code 料金は月$20から」を参照してください。

営業担当者の使い方例

パターン1: 商談メモCSV→レポート変換の全自動化(コード実行の活用)

複数の商談メモCSVをローカルに保存しておき、Skillsを呼ぶだけで「今月の商談サマリ・ネクストアクション一覧・確度別分類」を自動出力します。処理の流れにスクリプトが必要なため、コード実行が使えないGem/GPTsでは同等の精度での自動化は難しいです。

パターン2: 業界・製品・競合情報込みの複雑な提案書ドラフト(指示文無制限の活用)

自社製品の特徴・競合との比較ポイント・業界ごとの訴求文例・NGワード一覧・提案書フォーマットを全てSKILL.mdに書き込み、「A社向け提案書を作れ」の一言でドラフトを生成します。大量の情報量はGem/GPTsの指示文上限を超える領域で機能します。

パターン3: Cursor・VS CodeでのSkills再利用(ポータビリティの活用)

営業企画担当が作ったSkills(例: 週次報告の自動フォーマット)を、エンジニア出身のマネージャーがCursorでもそのまま使えます。同一SKILL.mdファイルがツールをまたいで動作するため、ツール間で設定を作り直す手間が不要です。Gem/GPTsは他のAIツールでは動作しません。

実際にSkillsを作ってみよう

結論: 手順は3ステップです。ファイルを作る→日本語で指示を書く→/コマンドで呼び出す。

STEP
SKILL.mdファイルを作成する

.mdファイルは、テキストを編集できるアプリであれば何でも作成できます。

Windowsの方:

  1. メモ帳を開きます
  2. 次のSTEP2のテンプレをコピーして貼り付けます
  3. 「名前をつけて保存」を選び、ファイル名を teian-draft.md と入力します(「.md」まで含めて入力してください)
  4. 保存先はClaude Codeのプロジェクトフォルダ内の .claude/skills/ フォルダです

Macの方:
テキストエディットを「プレーンテキスト」モードで使用するか、Claude Codeのターミナルで操作します。

最もシンプルな方法:
Claude Codeを起動して「提案書ドラフトを作るSkillsを作ってほしい」と日本語で指示するだけで、Claudeがファイルを自動で作成してくれます。手順が分からない場合はこの方法をお勧めします。

STEP
日本語で指示を書く(コピペ可能テンプレ)

簡単なサンプルですが、以下のテンプレをそのままコピーして使えます。

# 提案書ドラフト作成Skills

## 目的
顧客向け提案書の初稿を素早く作成する

## 使い方
`/teian-draft [顧客名] [課題]` で呼び出す

## 出力フォーマット
1. 顧客の課題(2〜3行)
2. [自社]の提案内容(箇条書き3点)
3. 期待効果(数値を含める)
4. 次のアクション

## 禁止事項
- 根拠のない数値を使わない
- 「革命的」「全て解決」等の誇大表現は使わない

## 出力例
【顧客課題】〜
【提案内容】〜
【期待効果】〜
【次アクション】〜
STEP
/コマンドで呼び出して動作確認する

Claude Codeのターミナルで /teian-draft 株式会社〇〇 営業報告の手間が多い と入力します。上記フォーマットに従った提案書ドラフトが出力されれば成功です。うまく動かない場合は、SKILL.mdのdescriptionフィールドを追加してみてください(後述の失敗パターン参照)。

チームでSkillsを使う場合の3つの注意点

結論: 個人で作れても、チーム共有には設計方針が必要です。最初に決めるべきルールは3つあります。

チーム運用で特につまずきやすいのは以下の3点です。

  1. スキルの命名規則: ファイル名は「用途-対象」形式(例: teian-draft.md / report-weekly.md)に統一します。誰が見ても何のSkillsか分かる名前が基本です。
  2. 更新・バージョン管理の考え方: SKILL.mdファイルをGoogle DriveやOneDriveなどの共有フォルダに保存しておくと、チームで同じファイルを参照できます。「誰がいつ何を変えたか」の変更履歴を細かく管理したい場合は、Gitという版管理ツールを使うとより確実ですが、まずは共有フォルダ運用で十分です。
  3. 組織展開前の「スキルの棚卸し」: 個人で作った5〜10本のSkillsを整理・統合してから展開します。重複や矛盾したSkillsを一度に配布すると、誰も使わなくなります。

やりがちな失敗と対処法

結論: 最も多い失敗は「指示が曖昧すぎてClaudeが迷う」ことです。書き方のコツで9割は解決できます。

  • 失敗1: descriptionが空でSkillsが呼ばれない — ClaudeはどのタスクにどのSkillsを使うかをdescriptionで判断します。フィールドが空だと自動検出されず、Skillsが発動しません。1〜2行の説明を必ず書いてください。
  • 失敗2: 指示が長すぎてClaudeが迷走する — 500行推奨とはいえ、矛盾する指示が混在していると動作が不安定になります。「何をしてよいか」より「何をしてはいけないか」の禁止事項を明示する方が安定します。
  • 失敗3: 個人Skills→チーム展開で誰も使わなくなる — 作った本人しか使い方を知らない状態で展開すると定着しません。/コマンドの呼び出し例・期待出力のサンプルをSKILL.md内に必ず記載してください。

まとめ——「まず1つ、動くSkillsを作る」が最短ルート

結論: 完璧なSkillsを設計するより、動くSkillsを1つ作って使い続ける方が業務改善は速いです。Claude Skillsを選ぶ技術的な根拠は「コード実行・指示文無制限・30以上のツールで動くポータビリティ」の3点です。ただしGoogle Workspace中心の業務ならGemの方が合う場合もあります。実務に合った選択が最優先です。

株式会社AnataAIのClaude Code研修では、本記事で紹介したSkills設計から、チームへの組織展開・定着支援まで一貫してサポートしています。「作り方は分かったが、組織に定着させたい」という場合はぜひ相談してください。

よくある質問

Q1. Claude Code Skillsを使うのにプログラミング知識は必要ですか?

A. 不要です。日本語でマークダウンファイルを書くだけで作成できます。ただし2点の前提があります。(1) Claude CodeのProプラン以上(月$20〜、約3,100円〜)の有料契約(Freeプランでは利用不可)。(2) Claude Codeの基本操作(インストール・起動)の習得。

Q2. SkillsはClaudeチャットのプロジェクト機能とどう違いますか?

A. Claudeチャットのプロジェクトは、複数のチャット会話をまとめて整理・管理する機能です。プロジェクト内で共通の指示やファイルを設定することもできますが、動作はチャット画面上での会話に限られます。Claude Code Skillsは、ターミナル・デスクトップ上のClaude Code専用の機能で、/コマンドでの呼び出しやスクリプトの実行・ローカルファイルの処理が可能です。

Q3. チームで共有するにはどうすればよいですか?

A. .claude/skills/ フォルダをGoogle Drive・OneDriveなどの共有フォルダに保存すれば共有できます。変更履歴を細かく管理したい場合はGitという版管理ツールが適していますが、非エンジニアチームはまず共有フォルダ運用から始めることをお勧めします。

Q4. GemやGPTsで十分ならClaude Skillsを使う必要はありませんか?

A. ブラウザ上での会話・文書生成が中心ならGem/GPTsで十分なケースも多いです。Claude Skillsが優位なのは「ローカルのCSV・Word・複数ファイルをスクリプトで横断処理したい場合」「複雑な手順を指示文上限を超えて書き込みたい場合」「複数ツールで同じSkillsを再利用したい場合」の3つです。GmailやGoogle Driveをリアルタイム連携させたいなら、Gemの方が設定が簡単です。

より詳しい活用方法は「Claude Codeの3つの強み」も参考にしてください。お問い合わせ・研修のご相談は下記から。