Gemini「Gem」の使い方|営業組織の活用例、カスタム指示例を解説

Gemini「Gem」の使い方記事のイメージ図

結論:GeminiのGem(ジェム)は、一度だけ指示文と参考資料を設定すれば、毎回同じ前提を打ち込まずに使い回せる自分専用のAIです。議事録の要約や提案書のレビューといった毎回やる定型作業をGemにしておくと、入力の手間が消え、誰がやっても品質が揃いやすくなります。無料のGeminiでもGemは作成でき、相手を指定して共有もできます(組織全体への一括展開は管理者設定や法人プランが入り口)。

Geminiを使い始めると、「商談メモを議事録に整える」「提案書をチェックする」といった同じ作業のたびに、毎回ほぼ同じ指示を打ち込んでいることに気づきます。役割の説明、出力の形、守ってほしい条件。これを毎回入力し直すのは、地味に時間を取られます。

Gemを使うと、その前提を一度設定するだけで済みます。次からは作業内容を渡すだけで、設定した指示が自動で効いた答えが返ってきます。この記事では、Gemの作り方の手順と、営業の現場で使い回せるカスタム指示の具体例、そして無料で作れるのか・チームで共有できるのかという条件まで整理します。

目次
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営業のための生成AI 業務別プロンプト集

商談前の下調べ・提案・メール・振り返りなどでそのまま使える指示文を9テーマ。
コピーして〔 〕を変えるだけ。

会社名とメールアドレスだけ1分で完了

Geminiの「Gem」とは?毎回同じ指示を打つ手間をなくす自分専用AI

Gemは、指示文と参考資料をあらかじめ覚えさせて使い回せる、Geminiのカスタムできるバージョンです。「あなたは営業の議事録担当です。商談メモを渡したら決定事項と次回アクションを整理してください」といった役割をGemに設定しておけば、以降は商談メモを貼るだけで、その指示が毎回効いた答えが返ってきます。プロンプトを毎回打ち直す必要がなくなる、これがGemの便利な仕組みです。

同じような仕組みはChatGPTにもあります。ChatGPTでは「GPTs」(もしくはカスタムGPT)と呼ばれ、GemはGemini、GPTsはChatGPTの機能という違いです。どちらも、よく使う指示と資料を一度設定して専用のAIにしておく、という考え方は共通しています。

Geminiの「Gemを表示」を開くと、Googleがあらかじめ用意した既製のGem(コーディングパートナーや文章作成アシスタントなど)が並んでいます。まず雰囲気をつかみたいなら、これを選んで使うのが手軽です。この記事で扱うのは、その先の段階、つまり自分の仕事に合わせて指示文を作り込む自作のGemです。営業でいえば、議事録・提案書・競合リサーチ・メールといった毎日の業務に対して、汎用的に使える業務用のGemをつくっていきます。

ロールプレイ専用に細かく作り込むGemの設計例はGeminiで営業ロープレをする記事で扱っています。

使い分けの目安はシンプルです。毎回やる、前提が決まっている、チームで品質を揃えたい。この3つに当てはまる作業はGemにする価値があります。逆に、その場限りの相談であれば、通常のチャットで十分です。

Gemini「Gem」の作り方

Gemini「Gem」の作成手順と修正・削除の流れ

パソコンのブラウザで gemini.google.com を開き、サイドバーから「Gem」、続いて「Gemを作成」を選びます。あとは次の3つを埋めていきます。

  1. 名前:後で一覧から選びやすい名前を付けます(例「商談議事録Gem」)。
  2. カスタム指示(指示文):そのGemにやってほしい役割・条件・出力の形を書きます。ここが一番重要です。
  3. 知識(参考資料:必要なら、判断のもとになる資料を添付します。

入力したら保存すれば、そのGemが使えるようになります。作ったGemは「マイ Gem」の一覧から選んで編集し、上書き保存できます。使わなくなったGemは、同じ一覧から削除できます。手順の詳細はGoogle公式のカスタムGem作成のヒントでも確認できます。

Gemini「Gem」指示文の書き方のコツ

カスタム指示つまり指示文の出来が、そのGemの精度をほぼ決めます。長く書く必要はなく、次の3要素を短く具体的に押さえると安定します。

  • 役割:何の担当として答えてほしいか(例「営業の議事録担当」)。
  • 制約:守ってほしい条件(例「数値や固有名詞は勝手に補わない」「褒めずに改善点だけ挙げる」)。
  • 出力フォーマット:どんな形で返すか(例「①決定事項 ②宿題 ③次回アクションの3項目で箇条書き」)。

口調を揃えたいときは、ここにトーンの指定(「丁寧だが回りくどくない」など)を一言足しておくと、出力のばらつきが減ります。

Gemini「Gem」の知識(参考資料)を添付して精度を上げる

指示文に加えて、判断のもとになる資料を「知識」欄から添付できます。自社の提案書テンプレート、商品の価格表、過去の優秀な議事録などを添付しておくと、Gemはその内容を前提に答えてくれます。毎回チャットに資料を貼り直す手間がなくなり、出力も自社の実態に近づきます。

一点、注意があります。知識ファイルを読ませた出力は、AIが資料を読み違えて、足りない部分を勝手に補ってしまう場合があります。数値・固有名詞・宛先は、出力を重点的に目視で確認してください。

GemはスマホのGeminiアプリでも使える(iOS/Android)

なお、Gemの作成・編集・削除はパソコンのブラウザ(Geminiウェブアプリ)からのみ行えます(Google公式)。一方で、作ったGemの呼び出しやチャットは、スマホのGeminiアプリ(iOS/Android)からも使えます。移動中に商談メモを音声入力して議事録Gemに渡す、といった使い方も可能です。

営業の商談サイクルで使い回すGemの使い方例

営業のGemは、まず1つから始められますが、商談の流れに沿って4つそろえると品質が上がります。事前準備で競合を調べ、商談後にメモを議事録にし、比較検討の段階で提案書を磨き、フォローでメールを返す。この一周がそのまま4つのGemに対応します。以下の各例には、Gemの指示欄にそのまま貼えるカスタム指示のサンプルを添えました。

営業の事前準備|競合をリサーチするGemの使い方

商談前に相手企業の競合を調べるとき、観点が人によってバラバラだと比較になりません。観点を固定したGemにしておけば、会社名を渡すだけで毎回同じ切り口の比較表が返ります。

あなたは営業の競合リサーチ担当です。会社名を渡したら、①事業内容 ②主力商品と価格帯 ③強み ④弱み ⑤当社が差別化できる点、の5項目を表で出力してください。出典が不明な情報は「要確認」と明記してください。

競合の内部情報や、入手元が不明な資料は、知識ファイルに入れないようにしてください。

営業の商談後|毎回の議事録まとめを短時間で終えるGemの使い方

商談直後の走り書きメモを、決定事項と次回アクションに整える作業は、毎回ほぼ同じ手順です。整理の型をGemに固定しておけば、メモを貼るだけで議事録の形が返ってきます。

商談メモを渡したら、①決定事項 ②宿題(担当・期日付き) ③次回アクション ④先方の懸念、の4項目に整理してください。曖昧な点は「確認事項」として箇条書きにしてください。

宛先・固有名詞・数値は、送る前に人が最終確認してください。

営業の比較・提案|提案書をレビューするGemの使い方

提案書を自分で何度も読み返すと、論理の飛躍や言い過ぎに気づきにくくなります。チェックの観点を固定したGemに通すと、毎回同じ基準で弱点を指摘してくれます。

提案書のテキストを渡したら、①論理の飛躍 ②根拠の弱い主張 ③分かりにくい表現 ④誇張や言い過ぎ、を指摘し、修正案を添えてください。褒めずに改善点だけ挙げてください。

指摘された内容も鵜呑みにせず、最終的には人が判断してください。

営業のフォロー|自社のトーンに揃えるメール作成Gemの使い方

フォローメールは、担当者によって言い回しや温度感にばらつきが出がちです。自社のトーンと署名をGemに覚えさせておけば、用件を渡すだけで体裁の揃った文章が返ります。

用件を渡したら、当社のトーン(丁寧だが回りくどくない、結論先出し)でフォローメールの下書きを作ってください。署名は「株式会社○○ 営業部」で固定。長さは200字以内。

送信前に、宛名・条件・金額は目視で確認してください。

なお、ここで紹介したような指示文は、資料DL『営業のための生成AI 業務別プロンプト集』にも業務別にまとまっています。Gemに入れる指示文の素材として、そのまま使えます。

営業Gemを4つ使い分けると担当者が変わっても品質が揃う

1つのGemでも入力の手間は減りますが、変化が大きいのは4つを使い分けたときです。事前準備から商談後、比較、フォローまで、商談の一連の業務がすべて同じ基準で回るようになります。すると、ベテランが作っても入社1年目が作っても、議事録や提案チェックの品質が近いところに揃ってきます。属人的だった「この人にしか作れない資料」が、チームの共通の型になっていきます。

チームへの展開や研修の進め方はGemini法人研修のカリキュラムの記事で、Geminiを使った営業DXの全体像は営業DXの記事で扱っています。その都度入力する単発チャット用のプロンプト集はGeminiでできることの記事にまとめています。

Gemはどこまで細かく作るか?

ここまで4つのGemを紹介しましたが、1つ疑問が出てくる方もいらっしゃるのではと思います。それは「わざわざ4つに分けずに、1つにまとめればいいのでは?」と。何個もGemを使い分けるのはオペレーション上、逆に面倒になる可能性もありますので、効率的な考え方で素晴らしいと思います。

結論、1つのGemにまとめるのは可能ですし、ぜひトライしていただきたいです。当社の支援先でも一連の業務を1つのGemでまとめて活用されている企業様は何社もあります。ただし、精度を担保したり組織へのフィット感の関係で、作りこみのための一定の作業時間や、トライ&エラーを繰り返して「使えるGem」に仕上げていく作業が必要になります。

Gemは作って終わりにしない

実は多くの会社で、Gemを完成させて組織に共有した後、だんだんと使われなくなってしまう、ということがよくあります。Gemはあくまで手段であり、目的は無駄な時間の削減になったり、業務の品質が向上したり、つまり成果を上げることです。そのためには組織にしっかりと根付くまでは、推進をしたり、作った後の改善活動を定期的に行う必要があります。どれだけ便利なGemを作っても、使われなければ意味がないというのは覚えておく必要があります。

Gemini「Gem」は無料で使える?チームでの共有と組織展開の条件

Gemを作ったら、次に気になるのが「チームで共有できるのか」「無料のままで使えるのか」です。共有は、相手を1人ずつ指定する個別共有と、組織全体への一括展開で条件が変わります。順に整理します。

Gemをチームで共有する方法と共有できないときの原因

作ったGemは、相手をメールで指定する、またはリンクで個別に共有できます。個人アカウントであれば受け取れます。Workspaceアカウントでは組織の管理者設定によって共有オプションが制限される場合があります。よくできた議事録Gemや競合リサーチGemを、チームのメンバーに配って同じ型で使ってもらう、という運用ができます。手順はGoogle公式のGemを共有するページで確認できます。

共有がうまくいかないときは、次のあたりが原因になりやすいです。相手のアカウントが個人か組織かといったアカウント要件、編集者・閲覧者などの共有権限の違い、そして組織側のポリシー設定です。共有相手が開けない場合は、この3点を確認してみてください。

Gemを組織全体に展開する(管理者制御)場合の条件

1人ずつの個別共有ではなく、組織全体に同じGemを配って管理者がまとめて制御したい、という段階になると、法人向けプランや管理者設定が入り口になります。ここで効いてくるのが、無料のGeminiと法人プランの違いです。とくに差が出るのは、組織での共有のしやすさと、入力したデータの扱いです。法人向けプランでは、業務で扱う情報がAIの学習に使われない条件や、管理者がメンバーの利用をまとめて管理できる仕組みが用意されています。料金やプランの詳細はGeminiの料金の記事で確認してください。

無料のGeminiでもGemは作成できる(個人で試す入口)

まず1人で試すぶんには、無料のGeminiでもGemを作成して使えます。議事録Gemやメール作成Gemを自分用に作り、効果を実感してからチームに広げる、という進め方ができます。ただし、業務で機密情報を扱う場合は、無料版のままにせず、法人プランのデータ保護の条件を確認してから使うのが安全です。Gem以外も含めたGeminiの営業活用の基本はGeminiの使い方入門の記事で解説しています。

Gemini「Gem」の使い方まとめ

  • Gemとは:指示文と参考資料を覚えさせ、毎回打ち直さずに使い回せるGeminiの自分専用AI。
  • 既製と自作:まず試すならGoogle提供の既製Gem。仕事に合わせるなら自作Gem。
  • 作り方:「Gemを作成」から、名前・指示文・参考資料を設定。作成はパソコン、呼び出しはスマホアプリでも可能。
  • 営業の使い回し:競合リサーチ・議事録・提案書レビュー・フォローメールの4つを商談の流れでそろえると、担当者が変わっても品質が揃う。
  • 無料と共有:無料でも作成・個別共有が可能。組織全体への展開は管理者設定や法人プランが入り口。

Gemは、個人の作業を効率化する手段として効果的です。そして、個人でGemを使いこなした次の段階、つまり組織全体へ仕組みとして定着させるところでは、外部の伴走が役に立ちます。自社の営業組織にどう組み込むかを相談したい場合は、当社株式会社AnataAIへ、お気軽にお問い合わせください。

Q1. GeminiのGemは無料で使えますか?

A. 使えます。無料のGeminiでもGemを作成して使えます。組織全体への一括展開や管理者による制御は、法人向けプランが入り口になります。

Q2. Gemの作り方は?

A. Geminiのサイドバー「Gem」から「Gemを作成」を開き、名前・指示文・参考資料を設定して保存します。スマホのGeminiアプリからも呼び出して使えます。

Q3. GemとChatGPTのGPTsは何が違いますか?

A. どちらも指示と参考資料を設定して使い回す自分専用のAIです。GemはGemini、GPTsはChatGPTの機能という違いです。

Q4. Gemはチームで共有できますか?

A. できます。相手をメールで指定する、またはリンクで個別に共有できます。組織全体へ展開する場合は、管理者による法人向けプランの設定が必要です。共有できないときは、相手のアカウント要件や共有権限の設定を確認してください。

Q5. Gemに知識ファイルは追加できますか?

A. 追加できます。「知識」欄からファイルを追加すると、その内容を前提に回答させられます。機密情報の扱いに注意し、資料を読み違えた誤りがないか出力を確認してください。

この記事を書いた人

株式会社AnataAI 代表取締役社長 村田欣祥

村田 欣祥

株式会社AnataAI 代表取締役社長。2007年より人材ベンチャー、東証上場企業グループ会社の取締役社長を経て、2023年に株式会社ラクスへ入社。「楽楽精算」等の営業戦略に携わる。累計10年以上の営業組織マネジメントと経営経験を活かし、2026年にAnataAIを創業。

「営業職こそAIを武器に」を掲げ、現場目線の生成AI活用による営業DX・業務改善コンサルティングやAI研修を提供している。

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商談前の下調べ・提案・メール・振り返りなどでそのまま使える指示文を9テーマ。
コピーして〔 〕を変えるだけ。

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