結論:AIロープレを無料で始めることは十分にできます。ポイントは「無料」に2パターンあることです。ひとつはChatGPT・Gemini・Claudeの無料枠で始める方法、もうひとつはすでにGoogleワークスペースや有料AIを契約しているなら追加料金なしで使えるという意味合いです。テキストの商談練習はすぐできますが、回数や採点の精度、組織での共有には無料ゆえの天井もあります。
「営業ロープレをAIでやってみたいが、いきなりお金はかけたくない」。そう考えて検索した方は多いはずです。相手役を頼める先輩はいつも忙しく、練習したいときに練習できないという悩みは、営業の現場でよくあります。
この記事では、無料でAIロープレを始める方法を正直に整理します。どのツールの無料枠で何ができるのか、無料だと何が足りなくなるのか、有料の専用ツールにできて無料AIにできること・できないことまでを、過度な期待を煽らずに解説します。読み終えたときに、自分はまず無料で十分なのか有料を検討すべきなのかを判断できる状態を目指します。
なお、より実戦的な顧客役の作り込みや採点の型づくりはGeminiで顧客役と採点を作る記事で扱っています。また、上司の指導時間が足りない中で部下を育てる方法は、部下・若手社員の育成はなぜ難しい?AIネイティブ世代を育てる方法にまとめています。あわせてご覧ください。

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AIロープレは無料で始められる?
結論:無料で始められます。入口は2つあり、ひとつは主要な生成AIの無料枠、もうひとつは契約済みのアカウントを使う実質無料です。テキストの商談練習はすぐできますが、回数・採点の精度・組織での共有には無料の限界があります。
無料でAIロープレを始める方法は、大きく2つに分かれます。自分がどちらに当てはまるかをまず確認してください。
- (A) 主要な生成AIの無料枠で始める:ChatGPT・Gemini・Claudeはいずれも無料枠があり、アカウントを作ればすぐに商談相手として会話できます。
- (B) すでに契約しているアカウントで実質無料:会社でGoogleワークスペースを使っている、個人でChatGPTの有料プランを契約しているといった場合は、追加料金なしでロープレに使えます。新しい契約は不要です。
営業でAIを使う別の切り口として、売上予測にAIをどこまで使えるかはAIで売上予測はできる?営業での使い方と限界にまとめています。あわせてご覧ください。
無料でできること・無料だと厳しいこと
全体像を先に示します。無料で十分できることは、顧客役を立てて会話する、難易度を指定する、会話のあとに改善点を出してもらう、スマホアプリで音声の練習をする、といった「一人で練習する」用途です。一方で無料だと厳しくなることは、たくさんの回数を毎日回す、採点の基準をぶれずに保つ、練習履歴をチームの教材として共有する、誰がどれだけ練習したかを管理する、といった「組織で回す」用途です。境目の判定基準は記事の後半でまとめて整理します。
この記事が向いている人
AIロープレは新人だけのものではありません。次のような方に向いています。
- これから商談に出る新人営業:時間や場所の制約なく、何度でも練習したい人
- すでに現場に立つ中堅・ベテラン営業:受注率をさらに上げたい、難しい顧客への対応力を磨きたい人。顧客役を最高難易度(手強い決裁者、反論の多い顧客など)に設定すれば、上級者でも実戦的に鍛えられます
- 応対の練習をしたいチーム:コールセンターやインサイドセールスの応対練習にも応用できます
そもそもAIロープレとは?無料の生成AIで何を練習できるのか
結論:AIロープレは、AIに顧客役を演じてもらって商談を練習する方法です。無料の生成AIでも、顧客役との会話、難易度の調整、会話後の振り返りまでを練習できます。新人だけでなく、難易度を上げればベテランの実戦練習にも使えます。
AIロープレが新人育成に効く理由
AIロープレは、AIに顧客の役を演じてもらい、自分は営業役として商談を進める練習方法です。新人育成で効果が出やすい理由はシンプルです。時間や場所の制約がなく、先輩の手が空くのを待たずに練習できること、断られる場面や価格を詰められる場面などを納得いくまで何度でも反復できることの2つです。商談の場数を本番の前に積めるのが大きな価値です。
無料の生成AIで「何を」練習できるか
無料の生成AIでも、商談練習の主要な部分はカバーできます。
- 顧客役を立てて、ヒアリングや提案、反論への切り返しを会話形式で練習する
- 顧客の役割や温度感、反論の強さを指定して、想定したい場面を作る
- 会話のあとに「良かった点と改善点を教えて」と頼んで、その場で振り返る
採点や教材化、チームでの運用まで踏み込むと専用ツールという選択肢も出てきますが、その違いはこのあとの章で見ます。まずは「一人で商談を練習する目的なら、無料の生成AIで十分にできる」ことを押さえてください。
難易度を上げれば中堅・ベテランの受注率改善にも効く
AIロープレは新人専用ではありません。顧客役の難易度を上げるほど、実戦に近い負荷で練習できるため、中堅・ベテランの受注率改善やスキルアップにも使えます。
たとえば、価格に渋る決裁者、競合と細かく比較してくる顧客、多忙で関心が薄い相手、専門知識で突っ込んでくる担当者などを顧客役に設定すると、ベテランでも対応が試されます。普段は無意識にこなしている商談を、あえて高難易度で再現して鍛え直すという使い方ができます。
こうした最高難易度の顧客役を、プロンプトでどこまで作り込めるか(ペルソナの設計や採点基準の作り方)は、Geminiで営業ロープレをするには?顧客役と採点の作り方で具体的に解説しています。この記事では「無料で上級者も鍛えられる」という入口の確認にとどめ、作り込みのノウハウはそちらに譲ります。
AIロープレを無料のAIツールで始める方法(ChatGPT・Gemini・Claude)
結論:始め方は3ツールとも共通です。顧客役を指示して、営業役として会話するだけです。
共通の始め方:顧客役を指示して営業役で会話する基本の流れ
どのツールでも、始め方は次の3ステップで共通です。
- 顧客役を指示する:「あなたは中小企業の総務部長で、新しいツールの導入には慎重な顧客です。これから私の営業を受けてください」のように、相手の役割と温度感を伝えます。
- 営業役として会話する:自分の最初のひとことを打ち込み、相手の返答に対して実際の商談のように切り返していきます。
- 会話後に振り返る:ひと通り終えたら「私の対応の良かった点と、改善すべき点を3つずつ挙げてください」と頼みます。
最小のプロンプトは、たとえばChatGPTなら次のようになります。
「あなたは新規開拓先の顧客役です。業種は製造業、相手は購買担当の課長で、価格に厳しいタイプです。難易度は高めでお願いします。私が営業役で話しかけるので、課長として自然に返答してください」
このように「難易度は高め」と一言添えれば、顧客役の手強さを調整できます。
AIロープレをChatGPTの無料枠で始める
ChatGPTは無料アカウントでも、テキストでの商談練習をすぐに始められます。指示への素直な反応と切り返しの自然さがあり、最初の一本目に選びやすいツールです。
音声でのやり取りにも、無料枠で対応しています。スマホアプリの音声モードを使えば、電話や対面を想定した発話の練習ができます。ただし高品質な音声モードの利用には1日あたりの時間枠があり、上限に達すると通常の音声に切り替わります。具体的な利用可能時間は公式が変動を前提として案内しているため、ここでは「時間制限がある」とだけ押さえておいてください。
AIロープレをGeminiの無料枠で始める
Geminiも、始め方はChatGPTと同じで、顧客役を指示して会話するだけです。個人で試すぶんには無料のGoogleアカウントで利用でき、音声もGemini LiveがAndroid・iOSの無料アプリで使えます。なお、研修としての運用や組織での共有を考えると、法人向けのGoogleワークスペースが基準になります(この点はこのあとの限界の章でも触れます)。
Geminiについては、顧客役ペルソナの作り込みと、会話ログをGeminiに採点させる型づくりまで深掘りした専用記事を用意しています。より詳しく実践したい方向けに、具体的な手順や顧客役のプロンプト、採点の作り方をGeminiで営業ロープレをするには?顧客役と採点の作り方で解説しています。
AIロープレをClaudeの無料枠で始める
Claudeも無料枠で、顧客役を立てた商談練習ができます。基本の流れは他の2つと同じです。音声も全プランでモバイルアプリの音声モードに対応しており(ベータ提供で現状は英語が中心)、音声の利用は通常の無料枠の利用量に合算されます。副次的な強みとして、長めの会話ログの整理や振り返りに向いており、複数回のロープレをまとめて見返したいときに使いやすいツールです。
無料枠での音声の利用可能量や対応言語、提供地域は変更されることがあるため、最新の状況は公式の案内で確認してください。
無料でできることはツールでどう違う?無料枠の比較
結論:始め方は同じでも、無料枠の使いどころには差があります。ツール固有で違いが出る軸だけを並べました。どれか1つを選ぶなら、すでに使っているアカウントのAIが始めやすいです。ただし、AI側が出す音声の日本語の流暢さや、こちら側の音声入力の精度はツールで差がある印象です。
下の表は、無料でロープレに使うときに差が出る軸だけを比べたものです。共通する基本機能(顧客役を立てて会話する等)はどれも同じなので省いています。
| 軸 | ChatGPT | Gemini | Claude |
|---|---|---|---|
| 始めやすさ | 無料登録ですぐ会話できる | Googleアカウントで利用可 | 無料登録ですぐ会話できる |
| 音声ロープレの可否 | 無料で音声モードに対応(1日に時間枠あり) | Gemini LiveがAndroid・iOSで無料 | 全プランでアプリ音声に対応(ベータ・英語中心) |
| 無料枠の利用量の管理方式 | メッセージ上限+音声は別途時間枠 | 週次の上限・5時間ごとにリセット(固定回数は公式非公開) | メッセージ量の上限に音声も合算 |
| 長い会話ログの扱い | 長文の会話も扱いやすい | 長文の会話も扱いやすい | 長めのログの整理・振り返りに向く |
| 自社資料の読み込み | 資料を貼って反映可(無料枠は量に上限) | 資料を貼って反映可(無料枠は量に上限) | 資料を貼って反映可(無料枠は量に上限) |
| 有料化の要否(個人利用の目安) | 1人で時々なら無料継続可 | 1人で時々なら無料継続可 | 1人で時々なら無料継続可 |
音声はどのツールも無料枠でアプリの音声に対応しています。利用量や対応言語は各サービスで条件が変わり変更もされるため、使う前に各公式の最新情報を確認してください。利用量の管理方式は3社で考え方が異なり、ChatGPTはメッセージ上限に加えて音声が別枠、Geminiは週次の上限と5時間ごとのリセットで管理され1日あたりの固定回数は公式非公開、Claudeはメッセージ量の上限に音声も合算されます。横並びで「1日◯回」という同じ基準が取れないため、各社が公開している粒度のまま併記しています。
有料化の要否は目安にとどめ、金額は本文に出さず各料金記事に譲ります。Geminiについては、無料枠は個人で試す前提で、組織運用なら法人向けのGoogleワークスペースが基準です(料金や法人運用の考え方はGeminiの料金を比較・整理した記事を参照)。有料の専用ロープレツールとの違いは、次の章で製品名を出さず機能の粒度で整理します。
無料のAIロープレでできないこと・気をつけたい限界
結論:現時点では無料のAIロープレには天井があります。利用回数で練習が止まること、採点がぶれること、組織で教材として残しにくいこと、入力情報の扱いに注意が要ることの4点です。一人で練習するぶんには問題になりにくく、人数と頻度が増えると効いてきます。
無料で始められるからこそ、限界も正直に押さえておくべきです。ここは「無料でどこまでできて、どこから足りなくなるか」を判断する中核になります。
利用回数・モデル制限で練習が止まることがある
無料枠には利用量の上限があります。集中して何本も練習していると、途中で上限に達して止まることがあります。一人で週に数回なら気になりませんが、毎日まとめて練習する、複数人で同じアカウント環境を使うといった使い方になると、天井に当たりやすくなります。練習に乗ってきたところで止まるのは、地味にストレスになる点です。
採点・フィードバックの精度にばらつきが出る
会話のあとに「採点して」と頼めば点数やコメントは返ってきますが、基準を固定しないと評価がぶれます。同じ内容の商談でも、そのときの聞き方しだいで点が上下することがあります。練習のたびに評価軸が変わると、自分が上達しているのか判断しにくくなります。採点を安定させるには、評価したい観点をあらかじめ決めて毎回同じものを渡す工夫が必要です。
組織で共有・教材として残しにくい
無料のAIロープレは、基本的に個人で使う前提です。練習履歴をチームの教材として共有したり、誰がどれだけ練習したかをまとめて把握したりする仕組みはなく、チーム全体で底上げしようとするとこの「組織で残せない」点が壁になります。Geminiの場合、個人なら無料のGoogleアカウントで使えますが、組織運用なら法人向けのGoogleワークスペースが基準です(Geminiでの作り込みと運用の解説記事を参照)。
入力情報の扱いに注意
無料の個人向け利用では、入力した会話がサービスの改善(モデルの学習)に使われる場合があります。学習対象から外せるか、初期設定がオンかオフかは各社で差があり改定もされるため、必ず確認をお願いします。
具体的には、実在する顧客の個人情報や商談の機密情報をそのまま入力しないでください。顧客像は「価格に厳しい製造業の購買担当」のように役割や温度感で抽象化すれば、練習の質を落とさずに情報リスクを避けられます。各社のデータの扱いは設定で変えられる場合があるので、本番運用の前に自社で使うサービスのポリシーを確認しておくと安心です。
こうして見ると、無料で足りなくなるのは「回数」「自社資料の読み込み」「組織での共有」あたりです。この”足りない点”を、有料の専用ツールが備える機能と突き合わせて1つずつ見ていくと、どこまでが無料で代替でき、どこからが専用ツールの領域なのかがはっきりします。次の章で機能ごとに整理します。
AIロープレの有料ツールにできて無料AIにできること・できないこと
結論:現時点の機能で見ると、一人で練習する機能は無料AIでほぼ代替でき、組織で回す機能は専用ツールの領域です。この境目を機能の粒度で示します。
最近ではAIを活用した有料の専用ロープレツールが複数あり、無料の生成AIにはない機能があります。一方で、機能によっては無料の生成AIで十分に代替できるものもあります。ここでは有料ツールの具体的な製品名は伏せ「機能」で、無料AIで代替できるか・できないかを整理します。どこまでが無料で足りて、どこからが専用ツールの領域なのかを、機能の粒度で見ていきます。
機能で見る:無料AIで代替できるか早見表
記号の意味は、◎が自力で可能、△が工夫すれば可能だが上限や精度に限界、×が無料の個人利用では不可、です。
| 機能(一般的な有料ツールが備える機能) | 無料の生成AIで実現できるか | 代替方法 |
|---|---|---|
| 顧客役の生成と難易度・ペルソナ設定 | ◎ | 顧客の役割・温度感・反論の強さをプロンプトで指定。難易度も「手強い決裁者」等の指示で調整できる |
| 音声での対話(発話練習) | ◎ | スマホアプリの音声モードで会話。ChatGPT・Gemini・Claudeとも無料枠で対応(利用量・言語は各公式の最新確認) |
| 自動採点・評価基準に沿ったスコアリング | △ | 評価したい観点をAIに渡せば点数化は可能。ただし基準を固定しないと採点がぶれる |
| フィードバック・振り返りの自動生成 | ◎ | 会話後に「改善点を3つ」等で指示すれば生成される |
| 会話の記録(録音・文字起こし) | △ | AIとの会話ログは残り振り返り可能。ただし実際の対面・電話商談を録音して文字起こしする機能は有料・専用ツールの領域 |
| 履歴の蓄積・教材化・チーム共有 | × | 練習履歴をチームの教材として共有・再利用する仕組みは無料の個人利用にない |
| 管理者ダッシュボード・進捗管理 | × | 誰がどれだけ練習したかを管理者が一覧で見る画面は無料AIにない |
| 自社トーク・商材データの反映 | △ | 商材資料をプロンプトに貼れば反映可能。ただし無料枠は読み込み量・回数に上限があり、資産として残しやすいかはツールにより差がある |
| 顧客管理システムとの連携・組織のデータ管理 | × | 商談データとの自動連携や、全社のデータをまとめて管理する仕組みは無料AIの範囲外 |
集計すると、◎が3つ(顧客役の設定・音声・振り返り)、△が3つ(採点・録音・自社資料)、×が3つ(教材化と共有・進捗管理・データ連携)です。一人で練習する機能は無料AIでほぼ代替でき、組織で回す機能は専用ツールの領域という損益分岐が、機能の粒度ではっきり見えます。
ただし補足すると、生成AIの進化は凄まじいので、今できないことでも近い将来できるようになることも多いはずです。または工夫すればやりたいことが実現できるようになることも出てくるでしょう。それも念頭に置いていただければと思います。
詳細解説:無料AIで「代替できる」機能(◎・△)
顧客役の設定・会話・振り返り(◎):無料の生成AIが最も得意な領域です。顧客の役割・温度感・反論の強さをプロンプトで指定すればすぐ商談相手になり、会話のあとに改善点を尋ねれば振り返りも返ってきます。難しい顧客役の細かい作り込みはGeminiでの顧客役と採点の作り方の記事に譲ります。
音声での発話練習(◎):ChatGPT・Gemini・Claudeとも無料枠でアプリの音声に対応しており、電話や対面を想定した練習ができます(利用量や対応言語は各公式の最新確認)。初めて音声入力をする方は一度ChatGPTでそのすごさを体感してみてください。本当に音声で会話(ラリー)ができて感動します。
採点・自社資料の反映・会話の記録(△):評価軸を渡せば採点やコメントは得られますが、基準を固定しないとぶれます。商材資料も読ませられますが、無料枠は量や回数に上限があります。AIとの会話ログは残るので振り返りに使えますが、実際の商談を録音して文字起こしする専用機能は有料・専用ツールの領域で、「AIとの練習ログ」と「実商談の記録」は別物です。
詳細解説:無料AIでは「代替しにくい」機能(×)と、その時の選択肢
無料AIで難しいのは、いずれも「組織で回す」ための機能です。練習履歴をチームの教材として共有すること、誰がどれだけ練習したかを管理者が把握すること、顧客管理システムと連携して全社のデータをまとめて扱うことの3つで、一人で練習する目的では不要ですが、チーム全体で底上げし運用を仕組みにする段階で必要になります。
機能の面でこの「組織の壁」に当たったら、有料の専用ツールの導入、研修が選択肢になります(どれを選ぶかは次の章で整理します)。データの扱いも、無料の個人向け利用では会話が学習に使われる場合があり(各社で差があり改定もされます)、組織単位で入力を統制したり学習対象から一括で外したりする仕組みは無料枠にはありません。実在する顧客情報を入力しない原則は、この章でも変わりません。
無料で物足りなくなったら?次の選択肢の選び方
結論:境目は人数というより「個人練習か組織運用か」です。1人〜数名が各自の無料アカウントで練習するうちは無料枠で足りることが多く、チームの教材化・進捗管理・属人化の解消まで踏み込むと、有料プラン・専用ツール・研修が選択肢になります。次の打ち手は、有料プラン、専用ツール、研修の3つに整理できます。
機能の面での境目は前の章で見たとおりです。ここでは、使い方(個人練習か組織運用か)という別の角度から、無料で足りるか足りないかの境目を考えます。
| 使い方 | 無料で足りるかの目安 |
|---|---|
| 1人で週に数回、自分の練習に使う | 無料枠で足りることが多い |
| 数名が、ときどき各自で練習する | 無料でも回せるが、採点のばらつきが課題になりやすい |
| 3名以上が各自の無料アカウントで毎日のように回す | 採点基準のばらつきや、練習を教材として残せない点が課題化し、専用ツールや研修が視野に入る |
| チームの教材として残し、進捗も管理したい | 専用ツールや研修での仕組み化が選択肢になる |
あくまで目安です。注意したいのは、無料枠の回数上限はアカウント単位で効くという点です。人数が増えること自体が回数上限に直結するわけではなく、回数の天井に当たりやすいのは「1人が集中して何本も回す(ヘビー利用)」または「複数人で同じアカウントを共有する」ケースです。各自が自分の無料アカウントで使う限りは、人数が増えても1人あたりの回数上限は変わりません。そのため複数人で回し始めたときに先に効いてくるのは、回数の上限よりも採点のばらつき・教材として残せない・進捗を管理できないといった「組織で回す壁」のほうです。上の表は「自分たちはどのあたりにいるか」を見当づけるために使ってください。
個人で使い込むなら有料プランへ
一人で本格的に使い込むなら、まず使っているツールの有料プランが選択肢です。利用量の上限が上がって止まりにくくなり、自社資料の読み込みや回答の精度も上がります。月額の具体的な金額は本文では扱わないので、料金は各料金記事で確認してください。たとえばGeminiならGeminiの料金を比較・整理した記事が参考になります。
ロープレ専用ツールという選択肢もある
チームで仕組みとして回したい場合は、ロープレ専用ツールという選択肢もあります。採点や教材化、進捗の管理といった「組織で回す」機能が整っており、立ち上げが速いのが利点です。ただしこの記事の主役は主要な生成AIの無料利用なので、専用ツールは「そういう選択肢も存在する」という案内にとどめ、製品ごとの比較やランキングは行いません(機能の違いは前の章のとおりです)。
ロープレに限らず営業全体を組織の仕組みに変える全体像は、営業組織を強化するには?属人化を仕組みに変える進め方で解説しています。あわせてご覧ください。
組織で営業力として定着させるなら研修で型化する
個人の練習は無料でも回せますが、組織全体の受注率を底上げしようとすると、無料の限界がそのまま属人化という形で表れます。誰がどんな顧客役で、どんな基準で練習しているかが人によってばらばらだと、成果も人に依存してしまいます。これを解くのが、練習を型にして全員で共有できる状態にすること、つまり研修での型化です。自社の勝ちパターンを顧客役と採点の基準に落とし込めば、誰がやっても同じ質で練習できる状態に近づきます。
無料で手応えを掴んだうえで社内に定着させる進め方は、AI研修とは?法人向けの種類・費用・選び方で解説しています。また、ロープレで磨く力を含め、営業力を6つの要素に分けて強化する全体像は、営業力を強化するには?AI時代にやるべき6つのことで解説しています。あわせてご覧ください。
まとめ:無料で始めて、足りなくなったら広げる
AIロープレは無料で始められます。まずは手元のアカウントで一本、顧客役を立てて会話してみるのがいちばんの近道です。
- 無料の入口は2つ。主要な生成AIの無料枠と、契約済みアカウントを使う実質無料
- ChatGPT・Gemini・Claudeの無料枠は得意な部分が違う。1つ選ぶならすでに使っているアカウントのAIが始めやすい
- 新人だけでなく、難易度を上げれば中堅・ベテランの受注率改善にも使える
- 機能で見ると、一人で練習する機能は無料AIで代替でき、組織で回す機能は専用ツールの領域
- 無料の天井(回数・採点の精度・組織での共有・入力情報の扱い)と境目を理解して使う
- 本格運用は有料プラン・専用ツール・研修へ。人数と頻度が増えたら検討のサイン
私たちAnataAIは、営業に特化した生成AIの活用支援を行っています。無料のAIロープレを入口にしつつ、自社の商談に合った顧客役や採点の型づくり、それを組織の受注率改善につなげるところまでをご一緒できます。無料で試してみて「チームで本格的に回したい」と感じた方は、まずお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. AIロープレは本当に無料でできますか?
A. できます。ChatGPT・Gemini・Claudeの無料枠で、テキストの商談練習は無料で始められます。無料で試せる専用ツールという選択肢もあります。ただし利用回数や採点の精度、組織での共有には無料ゆえの制限があります。
Q2. 無料で始めるならどのAIがいいですか?
A. すでに使っているアカウントのAIが始めやすいです。得意な部分の違いはこの記事の比較表のとおりです。まず1つだけ選ぶなら、Googleを使っているならGeminiというように、すでに使っているアカウントのAIが学習コスト最小で始めやすいです。
Q3. 無料のAIロープレで音声の練習はできますか?
A. できます。ChatGPT・Gemini・Claudeとも、無料枠でモバイルアプリの音声のやり取りに対応しています(ChatGPTは無料で音声に対応し1日の利用に時間枠あり、GeminiはGemini LiveがAndroid・iOS無料、Claudeも全プランでアプリ音声に対応=ベータ・英語中心)。ただし無料枠での利用量・対応言語・地域は各サービスで条件が変わり変更もされるため、各公式の最新情報を確認してください。
Q4. 無料だと何が足りなくなりますか?
A. 主に4点です。利用回数の上限、採点基準のばらつき、教材として組織で共有しにくい点、入力情報の扱いです。回数の上限は1人が集中して何本も回す場合やアカウントを共有する場合に当たりやすく、3名以上が各自の無料アカウントで毎日回す場面ではむしろ採点のばらつきや教材として残せない点が先に課題化し、有料プランや専用ツール、研修が選択肢になります。
Q5. 無料のAIに実際の顧客情報を入力してもいいですか?
A. おすすめしません。無料枠では入力が学習に使われる場合があるため、実顧客の個人情報や機密は入力しないでください。顧客像は役割や温度感で抽象化して設定します。
Q6. AIロープレは新人向けですか?ベテランでも使えますか?
A. ベテランでも使えます。新人だけでなく中堅・ベテランの受注率改善にも使えます。いつでも自分一人で練習でき、顧客役を最高難易度(手強い決裁者や反論の多い顧客など)に設定すれば、上級者でも実戦的に鍛えられるからです。難しい顧客役の作り込み方はGeminiでの顧客役と採点の作り方の記事で解説しています。
まずは無料で試してみて、自社の商談に合うかを確かめるのがおすすめです。チームで本格的に取り組みたくなったら、Geminiで顧客役と採点を作り込む方法の記事も参考にしてください。導入の相談は無料相談から承っています。
この記事を書いた人

村田 欣祥
株式会社AnataAI 代表取締役社長。2007年より人材ベンチャー、東証上場企業グループ会社の取締役社長を経て、2023年に株式会社ラクスへ入社。「楽楽精算」等の営業戦略に携わる。累計10年以上の営業組織マネジメントと経営経験を活かし、2026年にAnataAIを創業。
「営業職こそAIを武器に」を掲げ、現場目線の生成AI活用による営業DX・業務改善コンサルティングやAI研修を提供している。

営業のための生成AI 業務別プロンプト集
商談前の下調べ・提案・メール・振り返りなどでそのまま使える指示文を9テーマ。
コピーして〔 〕を変えるだけ。
会社名とメールアドレスだけ1分で完了

