人手不足の解消はどう進める?中小企業こそAI活用が必要な理由

人手不足の解消方法に関する記事のイメージ図

結論:人手不足は、景気の波ではなく働き手そのものが減り続ける構造の問題です。採用・賃上げ・定着の努力は続けるべきですが、それだけでは追いつきません。とくに中小企業は新卒の採用市場で大企業に競り負けます。採れない前提に切り替え、今いる人で仕事を成り立たせる一手が生成AIの活用です。

人手不足の解消のために募集をかけても応募が来ない。退職した人の補充が追いつかず、残った人に仕事が寄っていく。現場が回らなくなり始めている。中小企業の経営者や管理職から、こうした声を聞く機会が増えました。「そのうち採れるだろう」と思いたい一方で、「これは一時的な話ではないのでは」という不安も同時に抱えている、という段階の方が多いはずです。

先に立場をはっきりさせておきます。人手不足は景気が良いから起きている一時的な現象ではなく、働き手そのものが減り続けることで起きている構造の問題です。だとすれば、必要なのは「景気が落ち着けば採れる」という前提そのものを見直すことです。採れない前提に立ち、今いる人で仕事を成り立たせる。その具体策として生成AIをどう使うかまで、この記事で整理します。

当社、株式会社AnataAIは、営業組織の生成AI活用支援・生成AI研修を行っています。人手不足がなぜ解消しないのか、そして今いる人で仕事を成り立たせる一手としての生成AI活用を、公的なデータと自社の実運用をもとに整理します。

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目次

人手不足はなぜ解消しないのか

結論:人手不足が解消しない大きな理由は、欠員が出るたびに残った人へ負担が集中し、その人も疲れて辞めていくという連鎖にあります。人が減って負担が増え、その人も辞める、という循環が回り続けるため、採用や定着を積み増しても不足が埋まりきりません。まず、この内部の仕組みを押さえておきます。

人手不足の対策を考える前に、なぜ足りないのかをそろえておきます。原因を人口の変化に置くのか、景気の一時的な波に置くのかで、打つべき手がまったく変わるからです。

人手不足の背景にある働き手の減少

働き手の中心となる15歳から64歳の人口を、生産年齢人口と呼びます。この人口が、これから長期にわたって減り続けます。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、生産年齢人口は2020年の7,509万人から2070年には4,535万人へと、およそ4割減ります。半世紀かけて、働ける人が今の6割程度まで細っていく計算です。採用環境がこれから自然に良くなる、と考える根拠はどこにもありません。出典:国立社会保障・人口問題研究所(日本の将来推計人口(令和5年推計))。

人手不足が景気の波ではなく続く理由

人が減っていく以上、人手不足は「待てば戻る」問題ではありません。実際、企業が感じている不足感も高い水準で続いています。帝国データバンクの調査では、正社員が不足していると答えた企業は2026年1月時点で52.3%と、1月の同調査では4年連続で50%を超えました。非正社員でも約28.8%が不足と答えています。直近の2026年4月調査でも正社員の不足は50.6%と、引き続き半数を超えています。これは新卒の採用に限った話ではなく、中途を含めて幅広く人が足りていない状態が続いていることを示します。出典:帝国データバンク(人手不足に対する企業の動向調査(2026年1月)同(2026年4月))。

人が足りないと、もう一つ厄介なことが起きます。欠員が出ると、残った人の負担が増えます。負担が増えた人は疲れて辞めていき、するとさらに人が足りなくなります。足りなくなった分は、また残った人に乗ります。この連鎖が回り始めると、採用で1人を補充しても、その間に別の1人が抜けていく、という状態になりかねません。採用と定着の努力を続けても不足が埋まりきらないのは、分母である働き手が減りながら、こうした連鎖が同時に進むためです。

人手不足は中小企業が採用市場で不利

結論:人手が足りないこと自体は、会社の規模を問わず起きています。ただ、採用市場で「採れるかどうか」に絞ると、中小企業は大企業に構造的に競り負けます。とくに新卒の採用では、その差が求人倍率にはっきり出ています。募集しても来ない、という中小企業の実感には、数字の裏づけがあります。

この「採れるかどうか」の差が、どれだけの倍率となって数字にあらわれているのか。まず、新卒の採用市場の規模別データで具体的に見ていきます。

人手不足の実感を裏づける規模別の求人倍率の差

新卒の採用市場で規模による差がどれだけ開いているかは、大卒求人倍率という数字ではっきり見えます。求人倍率は、企業からの求人数を就職を希望する学生の数で割ったもので、数字が大きいほど1人の学生を多くの企業が奪い合う状態を意味します。リクルートワークス研究所の第42回調査(2026年卒、2025年4月公表)では、全体の倍率が1.66倍であるのに対し、従業員300人未満の企業は8.98倍にのぼります。300〜999人で1.43倍、1000〜4999人で1.05倍、5000人以上ではわずか0.34倍です。出典:リクルートワークス研究所(第42回 ワークス大卒求人倍率調査(2026年卒))。

300人未満で8.98倍というのは、1人の学生に対して約9社が求人を出しても、多くの中小企業は採用に届かない状態です。この倍率は前年の6.50倍から上昇しています。5000人以上の大企業は前年と同じ0.34倍で、学生が集まる側にとどまっています。規模による格差は縮まるどころか固定化しています。募集しても新卒が来ない、という中小企業の肌感覚は、この数字のとおりです。最新の第43回調査(2027年卒)でも全体の倍率は1.62倍と2年連続で低下しており、中小企業ほど採用しにくいという構図は続いています(出典:リクルートワークス研究所「第43回 ワークス大卒求人倍率調査」)。この数字は新卒に限ったもので、中途採用や人手不足全般の深刻さをそのまま示すわけではない点は補っておきます。

人手不足で倒産する企業が過去最多に

人が採れないことが、事業の継続そのものを揺るがす段階に入っています。帝国データバンクによると、人手不足を要因とする倒産は2025年に427件となり、3年連続で過去最多を更新しました。初めて年間400件を超え、前年からの増加率は24.9%です。倒産はあくまで極端な結末ですが、注目すべきはその内訳で、従業員10人未満の企業が全体の77.0%(329件)を占めます。人手不足のしわ寄せが、規模の小さい会社に集中していることがわかります。出典:帝国データバンク(人手不足倒産の動向調査(2025年))。

人手不足で中小が採用市場で戦いにくい構造

なぜ中小企業ほど採れないのか。理由は単純で、賃上げに回せる原資と、企業としての知名度で大企業に差があるからです。同じ時期に大企業がまとまった賃上げを打ち出せば、給与水準の見劣りは避けにくくなります。学生や求職者が名前を知っている会社に応募が集まりやすいという認知の差も加わります。この2つが重なるため、同じ土俵で採用競争を続けるかぎり、中小企業は構造的に勝ちにくいのです。だとすれば、採用の努力をさらに積み増して追いつこうとするより先に、同じ土俵で人数を奪い合う前提そのものを一度降りて考える必要があります。この視点が、次の章につながります。

人手不足の解消に従来の打ち手だけでは足りない理由

結論:採用強化、賃上げ、定着、外注は続けるべき打ち手ですが、いずれも「限られた働き手の奪い合い」という同じ壁にぶつかります。とくに定着は離職を抑える「守り」の手であり、減っていく分母そのものを増やす手ではありません。だからこそ人手不足の解消のためには、人数を奪い合う土俵の上での上乗せとは別に、今いる人で仕事を成り立たせる軸を持つことが必要です。

誤解のないように書いておくと、これまでの対策が無駄だという話ではありません。何を先にやり、どこに力を入れるかという話です。従来の打ち手がなぜ単独では足りないのかを見たうえで、発想の切り替えに進みます。

人手不足対策の採用強化・賃上げ・定着・外注の限界

人手不足への打ち手は、大きく4つに整理できます。採用を強化する、賃上げで処遇を改善する、離職を抑えて定着させる、外部に外注する、の4つです。どれも継続すべきものですが、共通して1つの壁にぶつかります。働き手の総数が減っていく以上、採用も外注も、限られたパイの奪い合いになるという壁です。パイそのものが縮んでいくため、各社が努力を積み増しても全体としては足りない状態が残ります。

とくに定着は、この4つの中でも見落とされやすい打ち手です。働きやすい環境を整えて離職を抑えることは、採用より費用対効果が高い場面も多く、やるべき前提です。ただ、離職をどれだけ抑えても、そもそも採用の分母が減っていく状況では、必要な人数に届かない不足が残ります。定着は「守り」を固める手であって、減っていく分母を増やす手ではない、と位置づけておくのが正確です。

採用や賃上げ、外注と並んで、従来からの定番だった対策がもう一つあります。業務の生産性を上げることと、システムを入れて仕事を効率化する、いわゆるIT化です。これらも有効ですが、これまでのIT化は、決まった手順を自動化する範囲が中心でした。判断をともなう文章の仕事や、バラバラな情報を整理する作業は、手作業として人に残りがちでした。生成AIが従来の効率化と違うのは、この「人に残っていた文章や情報整理の仕事」にまで手が届く点です。従来の対策の延長線上で、届く範囲がひと回り広がった、と捉えるとわかりやすくなります。

採用の分母を広げるという意味では、シニアや子育て中の方、時短で働きたい人など、これまで採用の中心に置いていなかった層に目を向けることも有効で、採用強化の一部として取り組む価値があります。費用面では、中小企業のデジタル投資を後押しする公的な支援策もあります。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)や中小企業省力化投資補助金など、要件に合えば導入費用の一部が補助されるため、活用を検討する余地があります。デジタル化・AI導入補助金については中小機構の補助金案内で確認できます。

なお、人を増やす話とは別に、「AIを扱える人材をどう確保するか」という論点もあります。これは一般的な働き手の採用とは別の問題なので、AI人材の確保の記事で解説しています。

人手不足は「採れない前提」の経営への転換が要る

ここまでを踏まえると、必要なのは発想の切り替えです。人を増やして仕事に人数を合わせる前提から、今いる人数で仕事を成り立たせる前提へと切り替えます。採用や定着をやめるわけではありません。並行して続けたうえで、それでも埋まらない分を「人を増やす」以外の方法で成立させる、という考え方です。

この切り替えを、今日から使える判断の形にすると次のようになります。目の前の仕事を1つずつ、「これは人を増やして対応すべき仕事か、それとも今の人員で成立させる仕事か」で切り分けるのです。切り分けの目安はシンプルで、定型的で繰り返しが多く、手順を文章にできる仕事は機械に寄せます。逆に、状況に応じた判断が要る仕事、人と向き合う仕事、例外への対応が必要な仕事は、人に残します。すべてを機械に任せるのでも、すべてを人手で抱えるのでもなく、この線引きを業務ごとに引くことが、採れない前提での経営の出発点になります。

人手不足なのにAIを使わないとどうなるか

結論:AIを使わないという選択は、現状維持ではありません。同じ商圏の競合が使い始めれば、同じ人数でこなせる仕事量の相場が上がっていきます。使わないままでいることは、時間とともにコスト面と採用面の不利になって返ってきます。AIをあたりまえに使える環境をつくることは、これからの労働環境の一部になりつつあります。

人手不足の解消策としてAIを見る前に、使わないままでいるとどうなるかを確認しておきます。「今のやり方で困っていないから急がない」という判断が、なぜ現状維持にならないのかという話です。

人手不足でAIを使わない間も、競合の生産性は上がっていく

生成AIの業務利用は、試しに触ってみる段階を過ぎ、後戻りしない流れに入りました。個人の利用も広がっており、総務省の調査では日本で生成AIを使ったことがある人の割合は全体で58.8%まで増えています(総務省 令和8年版 情報通信白書)。自社が様子見をしていても、同じ商圏の競合が使い始めれば、「同じ人数で回せる仕事量」の相場が変わります。相手が1人で2人分の下ごしらえを終わらせるようになれば、こちらの1人分の仕事量が、相対的に見劣りするようになる、という構造です。慌てて追う必要はありませんが、相場が動いていることは知っておく必要があります。

人手不足下でAIを使わないこと自体がコストになる

AIを使わない場合でも、仕事の量は変わりません。同じ量をこなすには、人の時間で埋めるしかなくなります。ところが人が採れない状況では、その埋め合わせは残業や外注費の増加、あるいは受けきれない仕事の見送りという形になって出てきます。つまり、使わないことにもコストは発生しています。導入にかかるコストだけを見るのではなく、「使わないことで払い続けているコスト」と並べて考えると、判断の材料がそろいます。目に見える導入費用は身構えやすい一方、使わないことのコストは見えにくく、静かに積み上がっていく点に注意が要ります。

人手不足でAIを使えない職場は採用でも選ばれにくくなる

採用市場での不利は、賃金や知名度の差だけではなくなってきています。働く環境として、AIを使えるかどうかの差が、そこに上乗せされ始めています。総務省の調査では、個人の生成AI利用率は20代で78.2%、15歳から19歳では91.7%に達しており、これから入社してくる若い世代ほど、生成AIを日常的に使って育っています。手作業に頼る職場に入れば、彼らは「前の環境なら数分で終わった仕事に、ここでは何十分もかかる」という違和感を持ちます。出典:総務省(令和8年版 情報通信白書)。

AIをあたりまえに使える環境をつくることは、給与や休みの取りやすさと並ぶ、必須の労働環境になりつつあります。人手不足の解消を採用の面から考えるうえでも、この視点は外せません。

人手不足の解消策の1つとしての生成AI活用

結論:生成AIは、採用格差を埋める道具ではありません。採れない分の仕事を、今いる人数で成り立たせるための道具です。今いる人の仕事のうち、AIに任せられる部分を移すことで、1人が担える範囲を広げます。AIは万能ではなく、あくまで解決策の1つとして位置づけるのが現実的です。

なぜ採用格差ではなく、働き手の減少のほうにAIが効くのか。採用格差は、給与水準や知名度といった採用「力」の差から生まれるもので、道具を入れても動かせません。これに対して、働き手が減って回らなくなった仕事の中身は、要約や下書き、情報整理といった作業に分解できます。この作業部分をAIが引き受ければ、採用力とは無関係に、今の人数でこなせる仕事量が増えます。だからAIが効くのは採用格差の側ではなく、働き手が減って空いた仕事量の側だ、と押さえておくと期待値を見誤りません。

人手不足の中でAIに任せられる仕事

どの仕事をAIに任せるかは、前の章の線引きをそのまま使います。その線引きを当てはめた結果として、生成AIが得意なのは、文章を読んで要点をまとめる、下書きを作る、バラバラな情報を整理して形にする、といった作業です。これらを人の手から移すことで、その人の時間が、判断や対人の仕事に振り向けられるようになります。どの生成AIを選ぶか、費用がどれくらいかかるかは、中小企業向けの生成AIの選び方で整理しています。自社の環境に合うものを1つ選び、それを使い倒すのが基本です。

営業現場での生成AI活用例

営業でわかりやすいのは、商談の前後にある準備や記録の仕事です。商談前なら、相手企業の公開情報を読み込ませて要点を短くまとめさせ、下調べの時間を短縮できます。商談後なら、手元のメモをもとに議事録の下書きやお礼メールの案を作らせ、報告や連絡にかかる時間を削れます。当社でも少人数のチームで、こうした下ごしらえの多くを生成AIに任せることで、営業担当者が相手と向き合う時間を確保しています。営業での時短の具体的なやり方は、営業の生産性を上げる方法で扱っています。

生成AIのバックオフィス活用例

バックオフィスでも、文章にできる仕事は多くあります。問い合わせへの一次対応の下書き、請求書や書類の内容を突き合わせる作業のたたき台づくりなどです。当社の場合も、記事や資料の下書き、競合の動向調査の要約、社外向け発信の案出しといった文章仕事の多くを生成AIに任せ、人を増やす前に、今の人数でこなせる仕事の幅を広げる順番で運用しています。最初から思いどおりに動いたわけではなく、任せる仕事の切り出し方と指示の書き方を決めるまでには試行錯誤がありました。採用や人事の業務でのAI活用は、人事業務でのAI活用で扱っています。

使うのは、自社の環境に合う生成AIを1つで十分です。専用のサービスや省人化の機械、業務を自動化する仕組みも解決策の幅としてはありますが、まずは今ある文章仕事を1つ選び、そこに絞って使い始めるのが現実的です。

人手不足の解消に向けてAIに真剣に取り組むには

結論:生成AIは有効な道具ですが、配るだけでは使われません。使い方を教え、日々の業務に組み込むところまでやって、はじめて人手不足の穴埋めになります。ツールの導入と、使い方の定着はセットで進めるものです。定着まで含めて取り組めば、今いる人数で成立する仕事の範囲が実際に広がります。

人手不足解消でもAIは配るだけでは使われない

アカウントを配って「使ってください」と伝えるだけでは、多くの人は使い始めません。何にどう使えばよいかがわからず、結局これまでのやり方に戻ってしまいます。導入したのに現場で使われず、費用だけが残る、という状態は珍しくありません。道具を配ることと、使われる状態をつくることは別の作業だと考えておく必要があります。

人手不足の解消につなげる研修と伴走

使われる状態をつくるには、使い方を教え、実際の業務の流れに乗せるところまで支援するのが近道です。自社のどの仕事をAIに寄せるかを一緒に決め、その仕事で使える具体的な手順を渡し、現場が回し始めるまで付き添う。ここまでやって、はじめて今いる人数で成立する仕事の範囲が広がります。研修にはさまざまな種類があり、選び方も一様ではありません。何を基準に選べばよいかは、AI研修の種類と選び方で整理しています。

当社、株式会社AnataAIは、生成AIの活用と社内への浸透を目的とした生成AI研修を提供しています。人手不足のなかで、今いる人数で仕事を成り立たせる仕組みを社内につくりたいものの、自社のリソースだけでは進めにくい場合は、お気軽にまずはご相談ください。

まとめ:人手不足の解消に向けて今日から始めること

  • 人手不足は景気の波ではなく、働き手そのものが減り続ける構造の問題です。景気が落ち着けば採れる、という前提は成り立ちません。
  • 中小企業は、不足感の度合いよりも「採れるかどうか」で不利です。新卒の採用市場では、規模による求人倍率の格差がその不利をはっきり示しています。
  • 採用・賃上げ・定着・外注はどれも続けるべき打ち手ですが、分母が減る以上それだけでは追いつきません。人を増やす前提から、今いる人で成り立たせる前提へ切り替えます。
  • 生成AIは採用格差を埋める道具ではなく、採れない分の仕事を今の人数で成り立たせる一手です。文章にできる定型の仕事を移し、1人が担える範囲を広げます。
  • AIは配るだけでは使われません。使い方を教え、業務に組み込むところまでやって、はじめて人手不足の穴埋めになります。

人手不足の解消と生成AI活用のよくある質問

Q1. 人手不足はいつまで続きますか?

A. 当面は続くと考えるのが現実的です。人手不足は景気の循環ではなく、働き手そのものが減り続けることで起きています。生産年齢人口は2020年から2070年にかけておよそ4割減る見通しで、採用環境が自然に良くなる根拠はありません。景気が戻れば解消する、という前提では対策を誤ります。

Q2. 中小企業は大企業より人手不足が深刻なのですか?

A. 不足感そのものは、規模を問わず高い水準にあります。中小企業に固有の不利は、深刻さの度合いというより、新卒を中心とする採用市場で大企業に競り負けやすい点にあります。2026年卒の大卒求人倍率は従業員300人未満で8.98倍、5000人以上で0.34倍と大きく開いており、その差が数字にあらわれています。

Q3. 人手不足の解消に生成AIは本当に役立ちますか?

A. 万能ではありませんが、今いる人数で仕事を成り立たせる一手として役立ちます。生成AIは、文章にできる定型の仕事を人の手から移し、1人が担える範囲を広げます。採用格差そのものを埋めるわけではなく、採れない分の仕事を今の人員でこなせるようにする方向で効きます。

Q4. 採用や賃上げ、定着の努力はやめてAIに置き換えればよいですか?

A. いいえ、採用・賃上げ・定着は続けてください。これらをやめる話ではなく、それでも埋まらない分をAIで成り立たせる、という補完の関係です。働き手が減る以上、従来の打ち手だけでは追いつかないため、今いる人で仕事を成立させる発想を並行して持つことが必要になります。

Q5. 何から始めればよいですか?

A. 最初に任せる仕事は、3つの条件で選ぶと失敗しにくくなります。「毎日のように発生する」「手順を言葉で説明できる」「間違っても大きな実害が出ない」の3つを満たす仕事です。商談メモの整理や問い合わせ対応の下書きが典型例です。逆に、重要な意思決定や機密性の高い業務からいきなり始めると、精度への不信からAI自体を使わなくなりがちです。小さく始めてうまくいった型を横へ広げるのが、定着への近道になります。

この記事を書いた人

株式会社AnataAI 代表取締役社長 村田欣祥

村田 欣祥

株式会社AnataAI 代表取締役社長。2007年より人材ベンチャー、東証上場企業グループ会社の取締役社長を経て、2023年に株式会社ラクスへ入社。「楽楽精算」等の営業戦略に携わる。累計10年以上の営業組織マネジメントと経営経験を活かし、2026年にAnataAIを創業。

「営業職こそAIを武器に」を掲げ、現場目線の生成AI活用による営業DX・業務改善コンサルティングやAI研修を提供している。

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