結論:個人で生成AIを使う人はこの1〜2年で急に増えましたが、仕事で使う人はまだ一部にとどまります。使う人と使わない人の差は能力ではなく、仕事の組み方の違いから広がり、やがて組織の生産性の差になります。使わない人は4つのタイプに分けられます。
チームの一部は生成AIを使いこなして仕事を早く終わらせ、別の何人かはほとんど触っていない。同じ部署なのに、仕事の進め方の前提がだんだん揃わなくなってきた。こうした社内の温度差に気づいて、どう手を打てばいいか迷っている経営者や管理職の方は少なくありません。
AIを使わない人を「意識が低い」と片づけるのは簡単ですが、それでは何も動きません。使わない人にはその人なりの理由があり、その理由が分かれば、タイプに合わせて向き合えます。手を打つ先は本人の意識ではなく、使える道具があるか、使ってよい情報の線引きが決まっているか、最初のきっかけがあるかという仕事の環境の側です。そこを整えれば、動いてくれる可能性が高いです。
営業組織の生成AI活用支援・営業向けAI活用研修を行う当社、株式会社AnataAIが、使う人と使わない人の差がどう開くのか、経営者・管理職としての向き合い方を整理しました。
AIを使わない人は今どのくらいいるのか
結論:AIを個人で使った経験のある人は、この1〜2年で急に増え、いまや6割近くに達しました。ただし仕事で使っている人は、まだ3人に1人ほどにとどまります。プライベートでは触れるのに仕事では使わない。この差は本人の能力の問題ではなく、職場に使える環境ときっかけがあるかどうかという環境の問題が大きく効いています。
「うちの若手はもうAIを使っている」という話も、「まわりに使っている人なんていない」という話も、どちらも実感としては正しいものです。まず、数字で全体像を押さえておきます。ここで見るのは、日本企業全体で何割が導入したかではなく、一人ひとりの人がどれくらい使っているか、そのなかで仕事に使っている人がどれくらいかです。日本企業全体の導入率や諸外国との比較は日本企業のAI導入率で扱っています。
AIを使ったことがある人は6割近く、仕事で使う人は3人に1人
個人が生成AIを使った経験は、短い期間で大きく伸びました。総務省の調査では、何らかの生成AIを使ったことのある人の割合は2023年度で9.1%、2024年度で26.7%、2025年度で58.8%です。1年ごとにおよそ倍のペースで増えています(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」)。民間の調査でも、直近1年以内に生成AIを使った人の割合は54.7%で、前回調査の29.0%からほぼ倍になっています(出典:ICT総研「2026年2月 生成AIサービス利用動向に関する調査」)。個人で触ったことのある人は、いまや6割近くに達しました。
ところが、仕事となると景色が変わります。全国の就業者を対象にした調査では、業務で生成AIを使っている人は32.4%です。使う頻度で分けると、週4日以上が11.7%、週1〜3日が12.4%、月に数日以下が8.4%でした。週に1日以上使っている人だけに絞ると、およそ24%、4人に1人ほどにとどまります(出典:パーソル総合研究所「生成AIとはたらき方に関する実態調査」)。プライベートで触った人は6割近くいるのに、仕事で使っている人は3人に1人。ここに、はっきりとした開きがあります。
仕事でAIを使わないのは、能力ではなく環境の問題が大きい
この「触った人は6割近く、仕事で使う人は3人に1人」という開きが、大事なことを教えてくれます。プライベートで使える人が仕事では使わないのですから、原因は本人の能力や抵抗感ではありません。多くの場合、職場に使える道具がない、使ってよい情報の線引きが決まっていない、最初のきっかけがない、という環境の側にあります。
言い換えると、仕事でAIを使わない人を減らせるかどうかは、本人の意識ではなく、会社が環境を整えられるかにかかっています。ここから先の話は、すべて仕事の場面に絞って進めます。プライベートで動画を作るかどうかではなく、目の前の商談準備や日々の事務にAIを使うかどうかです。そして、この小さな差が時間とともにどう広がっていくのかを、次に見ていきます。
AIを使う人と使わない人でどんな差がつくのか
結論:差は、AIに任せられる仕事を1つずつ積み上げてきたかどうかで開きます。使う人ほど任せられる仕事が増え、浮いた時間を判断や対人の仕事に回せるようになります。
使う人と使わない人の差は、精神論ではありません。日本全国のインターネット利用者を対象にした1万3千人規模の調査でも、生成AIを使うかどうかは、年齢・職種・学歴や、まわりに使っている人がいるかといった置かれた環境の違いと結びついていることが示されています(出典:千葉大学予防医学センター「1万3千人調査で見えた新たなAI格差」)。差を生むのは頭の良さではなく、置かれた状況と、そこでどう仕事を組んでいるかです。では、その差は具体的にどう広がっていくのでしょうか。
AIを使う人は任せられる仕事が1つずつ増える仕組み
使う人の側では、小さな変化が積み重なります。最初は、AIに任せられる仕事が1つ増えるだけです。たとえば営業なら、商談メモから議事録を整える。事務なら、定型のメール文面を下書きさせる。1つ任せられると、その分の時間が浮きます。浮いた時間で、別の仕事もAIに任せられないかを試してみる。提案書の骨子、問い合わせへの返信案、集めたデータの整理。こうして、任せられる仕事が少しずつ広がっていきます。
同時に、頼み方も慣れてきます。どんな指示なら思った通りの答えが返るか、どこは自分で直したほうが早いか。何度かやるうちに、勘どころがつかめてきます。使わない人は、同じ時間を同じやり方のまま使い続けます。開くのは、任せられる仕事を1つずつ増やしてきたか、まだ始めていないかという、仕事の組み方の差です。
AIを使う人ほど任せられる仕事の型が増えていく
この積み重ねには、時間の目安があります。数か月から1年ほどで、任せられる仕事の数の違いとして目に見えてきます。年の単位になると、仕事の組み方そのものが変わってきます。使う人は、手を動かす作業を先にAIへ渡し、自分は確認と判断に時間を使います。使わない人は、下書きから清書まで自分でやり続けます。同じ1日でも、中身の配分が変わっていきます。
ただし、これは「使えば誰でも生産性が倍になる」という話ではありません。効き方は人によって差がありますし、合わない仕事もあります。それでも、任せられる仕事を1つずつ増やしてきた人と、まだ手をつけていない人とで、時間が経つほど開きが広がっていきます。この方向は、多くの職場で共通して起きています。
AIを使わないと仕事はどうなるのか
「使わないままだと、自分の仕事はどうなるのか」。ここがいちばん気になるところだと思います。答えは、仕事そのものが急に消えるわけではない、けれど中身は入れ替わっていく、というものです。定型的な作業はAIに寄っていき、判断・対人・調整といった仕事が人の仕事の中心になっていきます。手を動かす部分が減り、決める部分や人と向き合う部分が増える、という置き換わりです。
そして、人の側に残る仕事ははっきりしています。何を優先するかを決める判断、顧客や社内との関係づくり、関係者の調整、そして結果に責任を持つこと。これらは当面、人の仕事として残ります。AIを使う人は、作業をAIに任せたぶんの時間を、こうした残る仕事に回せます。使わない人が最も気になる「自分にできることは残るのか」という問いには、残ります、と答えられます。
社会全体でも、仕事の中身がAIを活用する側へ動く流れがあります。国の推計でも、AIを使いこなす人材が足りず、定型的な事務の仕事は今より少なくなると見込まれています(出典:経済産業省「2040年の就業構造推計(改訂版)」(2026年3月))。これは職種ごとの大きな見通しであって、AIを使わない人がすぐに仕事を失うという話ではありません。会社としてAIを使える人をどう確保するか(採用・育成・外注)は、AI人材の確保で整理しています。
AIを使う人と使わない人が混在すると組織の生産性の差になる
個人の差は、組織としては放っておけません。チームの中で仕事の速さの前提が揃わなくなると、段取りや引き継ぎの手間が増えます。ある人は半日で終わる資料づくりに、別の人は2日かけます。同じ締め切りに合わせるために、誰かが待ち、誰かが手伝います。この調整が積み重なると、チーム全体の速さが遅いほうに引っぱられます。
管理職から見ると、これは一人ひとりの評価の話にとどまりません。速さの前提が揃わないチームは、計画も立てにくく、任せ方も難しくなります。個人がAIを使うかどうかは、やがてチームの生産性の差として表れます。使わない人を放っておくのではなく、そもそもなぜ使わないのかを一段掘り下げておく必要があります。
AIを使わない人は4つのタイプに分けられる
結論:AIを使わない人は、ひとくくりにできません。きっかけがない人、必要を感じていない人、不安が先に立つ人、今のやり方を変えたくない人の4つのタイプがいて、どのタイプかで向き合い方が変わります。どのタイプも、その人なりの合理的な理由を持っています。まずは相手がどこにいるかを見分けるところからです。
「AIを使わない人」と一言で言っても、中身はさまざまです。国の調査でも、使わない理由としては「自分の生活や仕事に必要性を感じない」と「使い方がわからない」が二大理由として挙がっています(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」)。理由が違えば、動く条件も違います。ここでは、使わない人を4つのタイプに分けて、それぞれの様子と、どうすれば動くのかを見ていきます。大事なのは、レッテルを貼ることではなく、相手が今どこにいるかを見分けることです。
AIを使わないタイプ1:きっかけがない人
使い方が分からないだけで、AIそのものを否定してはいない人です。「便利らしいのは知っているけれど、何から触ればいいのか分からない」という状態で、最初の一歩の情報がないだけです。見分け方はシンプルで、触ったことはあっても続かず、「何に使えばいいの?」と質問してきます。4つのタイプの中でいちばん動きやすく、隣で一緒に1回やってみせる、その人の仕事に近い例を1つ見せる、これだけで動き始めます。
AIを使わないタイプ2:必要を感じていない人
「AIが便利」という一般論と、「自分のこの仕事に効く」という実感が、まだ結びついていない人です。使わない理由の最多がここに当たります。サインは、「便利なのは分かるけど、うちの仕事はね」といった言い方です。このタイプに一般論で説得しても動きません。効くのは、本人が毎日やっている業務そのものを題材にした具体例だけです。抽象的な話ではなく、「あなたのあの作業が、こう短くなる」を見せることが必要です。
AIを使わないタイプ3:不安が先に立つ人
出力に間違いが混じることへの不安と、何を入力してよいか分からない不安の2つで、手が出ない人です。「これ入れて大丈夫なの?」と確認してきたり、まわりの様子をうかがっていたりするのが、このタイプの現れ方です。ここで大事なのは、本人の性格の問題にしないことです。多くの場合、会社が使ってよい情報の線引きを示していないことが原因です。法人向けの契約なら入力内容を学習に使わない設定が標準になっているものが多く、線引きさえ決めれば不安の多くは解けます。何をどこまで入れてよいかの線引きはシャドーAI対策で整理しています。
AIを使わないタイプ4:今のやり方を変えたくない人
長年のやり方で成果が出ていて、変える理由が本人の中にない人です。サインは、「今のやり方で困っていない」と言う、その話題になると話を変える、といった様子です。4つの中でいちばん時間がかかり、強制がいちばん逆効果になるタイプです。「使え」と圧をかけるほど、やり方を守る側に立ちます。効くのは、まわりで使っている人の成功が日常的に目に入る環境に、静かに置くことです。自分が困っていないと感じている人には、正論より、隣の成果のほうが届きます。
職場でいちばん多く聞く「忙しくて時間がない」は、独立したタイプではありません。忙しさは、4つのタイプのどれにも重なります。きっかけがない人の「調べている時間がない」、必要を感じない人の「そんな暇はない」、どちらも入り口は忙しさです。そのため、「忙しいから使わない」と言われたときは、その下にどのタイプの理由が隠れているかを見ます。忙しさは、本当の理由を覆っている表層のことが多いからです。
もう1つ、このタイプ分けはレッテルではありません。同じ人が、状況によってタイプの間を移ります。昨日まで必要を感じていなかった人が、1つ具体例を見た瞬間にきっかけを待つ側に移ることもあります。診断して貼り付けるためではなく、「この人は今どこにいるか」を見るための道具として使ってください。ここで扱うのは個人ごとのタイプ別の心理ですが、営業現場で組織として定着させる進め方は営業のAI定着で詳しく扱っています。
AIを使わない人を無理に変えようとすると起きること
結論:号令だけ、「使え」という圧だけでは、たいてい形だけ使うか、使わないままに終わります。責める空気は、かえって使わない人を遠ざけます。動かしたいのに、逆に会話が閉じてしまいます。ここを踏まないことが、向き合い方の前提になります。
AIを使わない人に号令だけでは変わらない
「これからは全員AIを使うように」という号令は、出すのは簡単ですが、それだけでは現場は動きません。使い方が分からない人はどこから手をつけていいか分からず、必要を感じていない人は自分の仕事とは結びつけないまま聞き流します。生まれるのは、報告のためにいちど開いてみるだけの形だけの利用か、そのまま元のやり方に戻る動きです。号令は方向を示せても、最初の一歩を用意することはできません。
ここで、やらないと会社が危ない、といった不安で追い立てるのも逆効果です。不安で動いた人は、不安がなくなればやめます。人が続けるのは、自分の仕事が実際に楽になったと感じたときだけです。押すべきは危機感ではなく、小さな成功体験のほうです。
AIを使わない人を責める空気が遠ざける
「まだ使ってないの?」という一言は、言った側にそのつもりがなくても、責められたと受け取られます。責められたと感じた人は、使い始めるのではなく、質問しなくなります。分からないことを聞けなくなり、様子を見ている段階の人ほど、余計に手を引きます。動かしたいのに、会話そのものが閉じてしまいます。これがいちばん避けたい状態です。
とくに、まわりが使い始めた中で1人だけ使っていない人は、本人がいちばんそれを気にしています。そこへ圧が加わると、意地でも変えないという構えに入ります。世代によって受け止め方も変わるため、若手を含めた育て方の全体像は部下・若手社員の育成もあわせて参考にしてください。責める空気を作らないことは、それだけで向き合い方の半分を占めます。
AIを使わない人に経営者・管理職としてどう向き合うか
結論:向き合い方はタイプで変わります。きっかけがない人には一緒に1回、必要性を感じない人には本人の業務の具体例、不安が先に立つ人には会社のルール、変えたくない人には強制せず成功が見える環境です。共通の土台は、道具を正式に与え、最初の1業務で小さな成功を持ってもらうことです。
タイプごとの打ち手は上のとおりですが、実際に効かせるうえで大事なのは順番です。相手がどのタイプかを見極めてから手を選ぶと、同じ声かけでも通り方が大きく変わります。ひとつのチームには複数のタイプが混ざっているのが普通なので、全員へ同じ号令をかけるより、いちばん動きやすいきっかけがない人から先に小さな成功をつくるのが近道です。その成功が日常的に見えていると、変えたくない人にも自然に届きます。逆に、タイプを見ずに一律で進めると、必要性を感じていない人には響かず、不安が先に立つ人はかえって身構えます。
AIを使わない人には道具を渡すだけでなく最初の使い方まで一緒に
タイプ別の向き合い方には、共通の土台があります。まず、道具を正式に与えることです。個人のアカウントで各自に任せるのではなく、自社の環境に合う生成AIを1つ選び、会社として使えるようにします。ChatGPT、Gemini、Claude、Copilotのどれでも、機能や性能に大きな差はありません。すでに使っているツールに合う1つを選び、それを使い倒すほうが成果につながります。研修の種類や選び方はAI研修とは?で解説しています。
ただし、道具を渡すだけでは足りません。使い方が分からないまま渡された人は、一度開いて、思うような答えが返らず、元のやり方に戻ります。ですから、道具を渡すだけでなく、最初の使い方まで一緒にやることが要ります。最初の1回を隣で通してあげると、その後は自分で進められる人が多くいます。社内でどう広げ、根づかせていくかは生成AIの社内浸透で扱っています。
AIを使わない人が最初の1業務で成功を持てるようにする
共通の土台のもう1つは、最初の1業務で小さな成功を持ってもらうことです。いきなり幅広く使わせようとせず、確実にうまくいく1つの作業から始めます。使っていないご本人にとっても、進め方はシンプルです。①毎日くり返している小さな作業を1つ選ぶ、②その作業を要約か下書きでAIに試させる、③うまくいった1件を記録しておく。この3つだけで十分です。最初の1件が手ごたえになれば、次は自分から2つ目を探し始めます。
最初に選ぶ作業は、たとえば会議の議事録を整えることです。次のような頼み方から始めると、失敗しにくく、手ごたえもつかみやすくなります。
以下は会議のメモです。決まったこと、持ち帰りになったこと、次にやることの3つに分けて、それぞれ箇条書きで3行以内にまとめてください。メモに書かれていないことは推測せず、「記載なし」と書いてください。〔会議のメモを貼り付け〕
こうした極小の作業を1つ成功させることが、向き合い方のゴールです。研修の種類や定着の細かい手順まで一度に整える必要はありません。まず1業務、そこで小さな成功を持ってもらいます。そこから先は、本人が自分で広げていきます。
AIを使わない人との向き合い方のまとめ
- 個人で触った経験のある人は6割近くに達したが、仕事で使う人はまだ3人に1人ほど。仕事で使わない人がいるのは、今の日本では珍しくない
- 差は頭の良さではなく、AIに任せられる仕事を1つずつ増やしてきたかどうか、仕事の組み方の違いから少しずつ広がる
- 仕事は急になくなるのではなく、中身が入れ替わる。判断・対人・調整の仕事は人の側に残り、そこに時間を回せます
- 個人の差は、段取りや引き継ぎの手間となって、やがて組織の生産性の差になる
- 使わない人は、きっかけがない・必要性を感じない・不安が先に立つ・変えたくない、の4タイプ。理由はどれも合理的で、責める相手ではない
- タイプで動く条件が違う。共通の土台は、道具を正式に与えたうえで最初の1回を隣で伴走し、最初の1業務の小さな成功から始めること
当社、株式会社AnataAIは、生成AIの活用・浸透を目的とした「生成AI研修」を提供しています。社内でAIを使う人と使わない人の差にお悩みで、外部の力も借りたいという場合は、お気軽にまずはご相談ください。
AIを使わない人に関するよくある質問
Q1. 自分はAIを使っていませんが、何から始めればよいですか?
A. 自分の仕事で一番くり返している小さな作業を1つ選び、要約や下書きから試すのがおすすめです。会社で使える生成AIが1つあれば、それを使います。たとえば会議メモの整理や、定型メールの下書きが始めやすい作業です。うまくいった1件を記録しておくと、次に何を任せられるかが見えてきます。いきなり幅広く使おうとせず、確実にうまくいく1つから始めてください。
Q2. 今からAIを使い始めるのでは遅いですか?
A. 遅くありません。道具は日々使いやすくなっていて、始めるハードルはむしろ下がっています。以前は指示の書き方に慣れが要りましたが、今は素直な日本語で頼めば形になります。周囲に使っている人がいるなら、その人がつまずいた分だけ、後から始める側は近道ができます。今日1つの作業を試してみることが、いちばん早いスタートです。
Q3. AIを使わない部下に、どう声をかければよいですか?
A. 「使え」と圧をかけるより、まず1つの業務で一緒に試し、小さな成功を体験してもらうのが近道です。「まだ使ってないの?」といった責める言い方は、相手を使い始めさせるのではなく、質問しづらくさせます。その部下がどのタイプか(きっかけがないのか、必要性を感じていないのか、不安なのか、変えたくないのか)を見てから声をかけると、通り方が変わります。
Q4. AIを使わないと仕事はなくなりますか?
A. なくなるより、中身が変わります。定型的な作業はAIの側に寄り、判断・対人・調整といった仕事が人の側に厚くなります。仕事が急に消えるわけではないので、無理のない範囲で1つの業務から触れておくと、変化に合わせやすくなります。焦って全部を変える必要はなく、今の仕事の中で1つ、AIに任せられる作業を見つけるところから始めれば十分です。
Q5. 社内でAIを使う人と使わない人の温度差が大きいときは?
A. まず、使ってよい情報の範囲と、使う場面を会社側で示すのが起点です。温度差を放置すると、資料づくりや引き継ぎの速さがチーム内で揃わず、段取りや待ち時間の調整が管理職の負担として積み上がります。個別の始め方や声かけはQ1・Q3のとおりですが、温度差が大きいときに経営側がまず握るべきは、誰が何にどこまで使ってよいかという全社の線引きです。線引きが曖昧なままだと、不安が先に立つ人は動けず、使う人との差は開いたままになります。
この記事を書いた人

村田 欣祥
株式会社AnataAI 代表取締役社長。2007年より人材ベンチャー、東証上場企業グループ会社の取締役社長を経て、2023年に株式会社ラクスへ入社。「楽楽精算」等の営業戦略に携わる。累計10年以上の営業組織マネジメントと経営経験を活かし、2026年にAnataAIを創業。
「営業職こそAIを武器に」を掲げ、現場目線の生成AI活用による営業DX・業務改善コンサルティングやAI研修を提供している。


