Gemini(Google Workspace)を全社導入していたBtoB SaaS企業(営業部門・従業員数300名規模)の、営業向けAI活用研修の導入事例です。全社にGeminiはあっても活用は各課任せで属人的——その状態を営業組織として型化・標準化し、商談前の顧客リサーチを1時間から10分に短縮、リサーチ実施率を50%から80%へ引き上げて商談の質(初回商談後の本格検討率+10%)を高めました。あわせて、10課で10名いたGem管理者を1名に集約し、これまで経営層に報告できなかったAI活用の効果を、指標とPDCAで可視化できるようになりました。営業向けAI活用研修の全体像は営業向けAI活用研修とは何かを解説した記事をご覧ください。
Geminiを営業組織で型化・標準化、属人的なAI活用を全社の成果に
| 顧客概要 | 従業員数300名規模 / BtoB SaaS企業(営業部門) |
| 導入サービス | 営業向けAI活用研修(Gemini 徹底活用) |
| 導入の背景 | Gemini(Google Workspace)は全社導入していたが、活用は各課任せで属人的。課ごとにばらつきやGemの重複が生じ、効果検証もできず、経営層にAI活用の効果を報告できなかった |
| 主な成果 | 商談前リサーチ1時間→10分、リサーチ実施率50%→80%(初回商談後の本格検討率+10%)、Gem管理者10名→1名に集約、AI活用の効果を指標化し経営報告が可能に |
Gemini活用が各課バラバラ・場当たり的だった——導入前の課題
同社はThe Model型で営業を分業するBtoB SaaS企業で、営業部門だけで80名超が在籍していました。全社ではすでにGemini(Google Workspace)を導入しており、AI活用の環境そのものは整っていました。しかし、その使い方は各課の現場任せで、実態は次のような状態でした。
- 課ごとに個別に活用を進めた結果、活用度に大きなばらつきが生まれ、まったく使っていない課もあった(推進は課長の温度差次第)
- ノウハウが課の中に閉じてしまい、組織全体でどの使い方が成果につながるのかを把握できていなかった
- 似たようなGem(Geminiのカスタムアシスタント)を各課が別々に開発し、重複と手戻りが発生していた
- 作ったGemが管理・更新されず「作って終わり」になり、精度が上がらないまま放置される課もあった
- 効果検証の指標やPDCAの仕組みがなく、営業全体を見る部長は、経営層にAI活用の効果を報告できなかった
つまり、環境は導入済みでも、AI活用の推進は戦略的ではなく場当たり的でした。個人や課の努力に依存し、組織としての標準もガバナンスもない状態です。課題はGeminiの機能そのものではなく、営業組織として成果につながる形に型化・標準化できていないことでした。ここからは、この属人的・場当たり的な状態を、営業プロセスに沿ってどう組織の仕組みに変えたのかを紹介します。
営業向けAI活用研修で整えた標準Gemと推進の仕組み
研修では、Geminiを営業プロセスに組み込み、「誰が担当しても同じ手順で成果に近づける」標準を整えました。ポイントは、属人的な活用を型化し、重複や管理不全をなくし、効果を測れる状態にすることです。
Gemを標準化し、営業プロセスに型化する
各課がバラバラに作っていたGemを棚卸しし、トップ営業のノウハウを反映した営業組織共通の「標準Gem」に統合しました。
- 商談前リサーチのGem: ターゲット企業の決算説明資料・IR・プレスリリース・採用ページを読み込ませ、事業課題と自社プロダクトで解ける論点を数分で仮説化。
- 提案・メールのGem: 顧客の課題に沿った提案の骨子や、返信率を高めるアプローチメールを、誰でも同じ品質で生成できるよう標準化。
- Google Workspaceとの連携: スプレッドシート・ドキュメント・Gmailと連携し、リサーチから提案・記録までを型として完結させる手法を伝授しました。
これにより、重複開発と「作って終わり」で放置されるGemを解消し、更新・管理の責任者も明確にしました。Gemの具体的な作り方はGemini「Gem」の使い方|営業組織の活用例、カスタム指示例を解説もご覧ください。
ノウハウ共有と推進体制をつくる
各課に閉じていた良い使い方を集約し、営業組織全体で共有する仕組みを整えました。推進役となるAI推進担当を育成し、課をまたいだ標準プレイブックとして展開。課長の温度差に左右されず、全課で同じ水準の活用が回る体制にしました。
効果指標とPDCAを回す
これまで測れていなかったAI活用の効果を、リサーチ実施率・商談の本格検討率・リサーチ時間といったKPIに接続しました。定点で効果を測り、Gemやプロンプトを改善するPDCAを設計。これにより、営業全体を見る部長が、AI活用の効果を数値で経営層に報告できる状態になりました。
標準化と効果の可視化がもたらした変化
標準化した型と推進の仕組みが営業組織に定着し、商談準備の質・組織運用・効果の可視化の各面で変化が表れました。導入後に起きた変化を、工程ごとに紹介します。
商談前の顧客リサーチを1時間から10分へ
標準Gemにターゲット企業の決算資料やプレスリリースを読み込ませる型が定着し、これまで1件あたり約1時間かかっていた商談前の顧客リサーチが、約10分に短縮されました。準備のハードルが下がったことが、次の実施率の改善につながっています。
リサーチ実施率が50%→80%に、商談の質が向上
準備の負担が下がったことで、これまで商談の約50%でしか行えていなかった事前リサーチの実施率が約80%まで上昇しました。しっかり準備したうえで臨む商談が増えた結果、初回商談後の本格検討率が約10%向上。件数だけでなく、商談の質そのものが改善しています。
Gem管理を10名→1名に集約、属人化と重複を解消
各課がバラバラに作っていたGemを標準Gemへ統合したことで、これまで10課で各1名・計10名が担っていたGemの管理・更新を、全体で1名に集約できました。管理にかかる工数は週あたり「1時間×10名」から「1時間×1名」へと圧縮され、重複開発や「作って終わり」の放置も解消。ノウハウが個人や課に閉じず、組織の資産として共有される状態になりました。
効果の可視化:経営層に報告できるAI活用へ
KPIとPDCAを回す仕組みにより、AI活用の効果を数値で把握できるようになりました。部長が経営層に対し、営業組織のAI活用がどれだけ成果に貢献しているかを定量的に報告できるように。場当たり的だった推進が、指標に基づく戦略的な取り組みへと変わっています。
導入を主導した営業本部長の声
「以前からGemini自体は全社で使える状態でしたが、実態は各課任せで、活用度は課長次第。まったく使っていない課もあり、似たようなGemがあちこちで作られては放置されていました。何より、営業全体を見る立場としてAI活用の効果を経営に報告できないのが一番の課題でした。今回の研修で大きかったのは、Geminiを営業プロセスに型化・標準化し、効果をKPIで測れるようにできたことです。属人的だった活用が組織の仕組みになり、いまは自信を持って効果を数値で報告できています。」
他業界の事例として、人材派遣会社が営業向けAI活用研修で受注率を上げた事例や、営業向けAI活用研修で年間1200万円のコスト削減をした事例もご覧いただけます。
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