結論:シャドーAI対策は、禁止しても止まりません。禁止は使うのをやめさせるのではなく、隠れて使わせるだけです。社員が個人のアカウントを開くのは、会社が使える道具を渡していないからです。道具と使い方の両方を配って、はじめて止まります。
提案書の言い回しが、その営業のいつもの文章と違う。議事録が、会議の翌朝には整った形で共有されている。おそらく生成AIを使っている。ただ、会社としては何も用意していません。
そこで「業務での生成AIの利用は禁止します」と全社にメールを出した会社もあれば、利用ルールをPDFで配った会社もあると思います。それでも、誰が何に使っているかは相変わらず見えません。むしろ、禁止する前より聞きにくくなった。ここが、シャドーAIに気づいた会社の多くが立っている場所です。
止まらないのは、ルールの書き方が甘いからではありません。使える道具を会社が渡していないからです。中小企業の営業組織向けに生成AI研修と伴走支援を行う当社、株式会社AnataAIが、シャドーAI対策の進め方を整理しました。
シャドーAIとは?会社が許可していない生成AIを業務で使う状態
結論:シャドーAIとは、会社が許可していない生成AIを社員が業務に使っている状態です。使っているのは、ルールを破りたい社員ではなく、目の前の仕事を早く終わらせたい社員です。ChatGPTのようなチャット型だけでなく、議事録や翻訳など既存のツールに後から付いたAI機能も、会社が把握していなければ同じ状態にあります。公的機関でも、組織が向き合う課題として取り上げられる段階に入りました。
シャドーAIは悪意ではなく、成果を出したい現場で起きる
何らかの業務で生成AIを利用していると回答した企業は、日本で86.4%です。前年度の調査では55.2%でしたから、1年で大きく広がりました(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」)。生成AIは特別なものではなく、業務の道具になりました。
提案書の下書きに1時間かかっていたものが、生成AIに投げれば10分で形になります。一度それを知ってしまえば、使わない理由のほうが少なくなります。申請すれば通るのかもしれませんが、誰に出す申請なのかも分からず、返事を待っている間に商談は次に進みます。目の前の商談を前に進めるのに、いちばん早い手が手元にある。起きているのは、それだけのことです。
そしてシャドーAIは、チャット型の生成AIだけではありません。議事録の自動作成、翻訳、要約など、これまで使ってきたツールに後から付いたAI機能も、会社が把握していなければ同じ状態です。担当者本人には、AIを使っている自覚すらないことがあります。
社員が会社の許可なくツールを持ち込むこと自体は、シャドーITとして以前からありました。違うのは、持ち込んだ道具ではなく、入れた情報が戻らないことです。個人が自分のAIを持ち込むという意味で、BYOAIと呼ばれることもあります。
シャドーAIが公的機関でも問題として挙がっている
「情報セキュリティ10大脅威 2026」で、組織向けの3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選出されました(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2026」)。同機構の解説書[組織編]では、シャドーAIが名指しで取り上げられています(後述)。
ここで押さえたいのは、危ないという話ではありません。個人の不注意として片づけられていたものが、組織として向き合う課題に位置づけ直された、ということです。社員のモラルの問題にしている限り、会社が打てる手は注意喚起しか残りません。
シャドーAIで実際に何が起きるのか
結論:シャドーAIで起きることは3つです。顧客情報や商談メモが、会社の把握しない経路で社外のサービスに渡ること。出力の誤りが検証されないまま提案書に混ざること。そして、うまくいった使い方が個人に閉じて組織に残らないことです。情報漏えいだけを見ていると、3つ目の損失には気づけません。
シャドーAIで顧客情報や商談メモが社外のサービスに渡る
営業が私物のアカウントで生成AIを開き、商談メモをそのまま貼って提案の骨子を作らせる。見積の条件を貼って、値引きの説明文を書かせる。顧客の会社名も担当者の氏名も入ったまま、会社が把握していないサービスに渡ります。
入れた情報がどう扱われるかは、契約と設定によって変わります。法人向けの契約では入力内容を学習に使わない設定が標準になっているものが多く、そこを整えていれば問題にならない場合がほとんどです。裏を返せば、会社が契約も設定もしていない私物のアカウントでは、その前提が成り立ちません。入れた情報が学習に使われ得る状態のまま、社外に出ていきます。無料版と法人版で何がどう変わるかは無料版のChatGPT・Geminiのデータ学習で解説しています。
個人情報保護委員会も、生成AIサービスへの入力が個人情報保護法上の問題になり得ることを注意喚起しています(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(別添1))。顧客の個人情報を会社が把握しない経路に出すことは、社員個人ではなく会社の責任として問われます。
シャドーAIの出力の誤りが検証されないまま提案書に混ざる
生成AIは、事実でないことをもっともらしい日本語で書きます。実在しない導入事例、少しずれた製品仕様、更新前の価格。文章として整っているぶん、誤りは目立ちません。
誤りが出ること自体は、会社が用意した生成AIでも同じように起きます。違うのはその後です。会社が用意した道具なら、出力の何を確認するのかを決めておけますし、迷ったときに聞ける相手がいます。私物のアカウントで一人で使っている社員には、確認の決まりも、聞く相手もありません。誤りが混ざったまま提案書になり、顧客の前に出ます。
シャドーAIで得たノウハウが個人に閉じて組織に残らない
3つ目は、表に出ません。隠れて使っている社員が、うまくいく聞き方を見つけたとします。この頼み方なら提案の骨子がそのまま使える、この聞き方なら競合対策の材料が出てくる。その発見は、誰にも共有されません。共有すれば、使っていることが会社に知られるからです。
禁止すると社員は隠れて使い、隠れて使う以上、うまくいった使い方は個人の中に留まります。会社の側から見えるのは、ある営業の数字が少し上向いたことだけです。その裏にある聞き方は、隣のメンバーには渡りません。情報漏えいは起きたときに分かりますが、この損失は、起きていることにさえ気づけません。うまくいった使い方を組織に貯める進め方は営業のナレッジマネジメントで解説しています。
シャドーAI対策で禁止と監視が効かない理由
結論:シャドーAI対策として禁止と監視が効かないのは、どちらも使うのをやめさせる力を持たないからです。禁止された社員は、使用をやめるのではなくバレない方法を探します。見張りを増やしても、私物のスマートフォンや自宅の回線までは届きません。原因は、会社が使える道具を渡していないことです。
禁止していない会社でも、誰が何に生成AIを使っているかは見えていません。禁止すると、その見えない部分が、さらに深いところへ潜ります。
シャドーAIの禁止は、使うのをやめさせず、見えなくする
2026年7月時点で当社が確認したところ、Googleの検索窓に「シャドーAI」と打つと、候補に「バレる」と「懲戒」の両方が出てきます。検索している人は、二手に分かれています。一方は使っている側で、隠れて使い、露見を恐れています。もう一方は会社側で、使った社員をどう処分するかを調べています。
禁止の前なら、本人に後ろめたさはなく、聞けば答えました。禁止の後は、聞いても答えません。使っている事実が処分につながるからです。会社から見える範囲は、禁止する前より狭くなります。リスクが減ったのではなく、見えなくなっただけで、手を打つ前提だった情報のほうが先に失われます。
シャドーAIを監視で締め上げても、使える道具がなければ元に戻る
では、見張りを増やせばいいのか。会社の回線から生成AIのサイトへ行けないようにする、パソコンの操作を記録する。会社が用意した環境の中では、たしかに使えなくなります。ただし社員の手元には私物のスマートフォンがあり、自宅には会社と関係のない回線があります。塞げば塞ぐほど、利用は会社の届かない場所へ移ります。
IPAは、シャドーAIが起きる場面をこう書いています。
◆ 職場に許可なく AI を業務利用し、情報漏えいにつながる可能性 例えば職場で AI サービスの利用が無い場合など、従業員が個人的に利用している AI サービスを業務利用することがある(シャドーAI)。(中略)また、職場が従業員の個人アカウントによる AI の業務利用を認識できないこともリスクといえる。
「例えば職場で AI サービスの利用が無い場合など」。ここが原因です。監視の仕組みは、使っている場面を見つけることはできますが、職場にAIサービスが無いという状態そのものは変えられません。見張りを増やしても原因は消えないので、見つけるたびに次が生まれます。悪いのは社員ではなく、道具を渡さないまま禁止だけをした構造の側です。安全に使える環境を社内に整える進め方は生成AIの内製化で解説しています。
シャドーAI対策の進め方は5段階
結論:シャドーAI対策の進め方は5段階です。実態を把握し、安全に使える生成AIを会社として1つ正式に用意し、入れてよい情報とだめな情報を短く決め、使い方を教え、使われているかを見て更新します。順番が大事です。実態把握を飛ばすと決裁が下りず、道具を渡す前にルールだけを配ると、現場の作業が1つ増えるだけで終わります。
シャドーAI対策の手順1:実態を把握する、犯人探しにしない
最初にやるのは、使っている前提で業務を棚卸しすることです。「使っている人はいますか」と聞いても、手は挙がりません。聞くのは「どの業務で使っていますか」です。使っていること自体は問題にしない、と先に伝えてから聞きます。犯人探しにした瞬間、実態は出てきません。
聞く内容は3つで足ります。どの業務に使っているか、何を入力しているか、それで何分縮んだか。3つ目を必ず入れてください。会社がこれから何を正式に用意すべきかは、実際に時間が縮んでいる業務にしか答えがありません。
営業部門に対して、生成AIの利用実態を聞き取るための質問項目を10個作ってください。前提として、利用していること自体は問題にせず、処分の対象にもしないと伝えたうえで聞きます。目的は、会社として正式に用意すべき環境を決めることです。どの業務に使っているか、何を入力しているか、それで何分縮んだかの3点が必ず埋まる質問にしてください。答えにくくなる聞き方は避けてください。
シャドーAI対策の手順2:安全に使える生成AIを会社として1つ正式に用意する
実態が見えたら、会社として生成AIを正式に用意します。ここが対策の中心です。使える道具がないから個人で使っているので、会社が渡せば、個人で用意する理由がなくなります。
選ぶのは1つです。ChatGPT、Gemini、Claude、Copilot。機能や性能はどれも大きくは変わりません。自社がすでに使っている環境に合うものを1つ選び、それを使い倒すほうが成果につながります。複数を並べると、社員はどれを開けばいいのか分からず、管理する側の手間も増えます。何から選ぶかは中小企業向けAI活用ガイドで解説しています。1つを決めたあと、法人として契約する場合の選び方はChatGPTの法人プラン比較にまとめました。
会社として正式に用意するには決裁が要ります。禁止したままの状態が、実際には見えないところで使われ続けている状態だと示すのが、手順1の実態把握のもう一つの役割です。
シャドーAI対策の手順3:入れてよい情報とだめな情報の線引き
道具を渡したら、入れてよい情報とだめな情報を決めます。決めるのはこの線引き1点で、それ以上は増やしません。だめな情報は、顧客の個人情報、まだ公になっていない取引条件、契約書の原文。入れてよい情報は、それ以外です。
あわせて、どのツールにAI機能が付いているかを一度そろえておきます。議事録や翻訳のように後から機能が足されたものは、ルールを作る側の視界からも漏れます。
分量の目安は、A4で1枚です。1枚に収まらないなら読まれません。読まれないルールは、無いのと同じです。
シャドーAI対策の手順4:使い方を教える
線引きを配ったら、使い方を教えます。何を入れてよいかを知っただけでは、社員はAIに何をさせればいいかを知りません。ここが最も飛ばされる段階で、飛ばすと手順2で用意した道具が使われないまま終わります。
シャドーAI対策の手順5:使われているかを見て更新する
見るのは、誰が使ったかではなく、どの業務で使われているかです。用意した道具が特定の部署でしか動いていないなら、線引きが厳しすぎるか、使い方が伝わっていないかのどちらかです。
線引きは、現場から「これは入れていいのか」という質問が出たときに、その1行を足していきます。最初から全部の場面を想定して書き足すと、また読まれない分量に戻ります。
シャドーAI対策でAI研修が必要になる理由
結論:道具を渡しても、使い方が分からなければ社員は使い慣れた私物のアカウントに戻ります。教える中身は3つです。どこまで入力してよいか、出力のどこを検証するか、うまくいった聞き方をどうチームに戻すか。ただし、道具を渡さずに研修だけを先に入れても変わりません。
シャドーAI対策のルールは「やってはいけないこと」しか教えられない
「顧客の個人情報は入れないでください」。ルールが伝えられるのは、ここまでです。
では商談メモは入れていいのか。顧客の担当者名を消せばいいのか。会社名だけなら構わないのか。現場が実際に迷うのはこの手前で、ルールにはその答えが書けません。書こうとすると、あらゆる場面を列挙することになり、誰も読まない分量になります。
結果として、社員は判断の基準を持たないまま自己流で使います。慎重な人は何も入れられなくなって使うのをやめ、大胆な人は全部貼ります。同じ1枚のルールを配って、両方が起きます。
シャドーAIが再発する、教えられていない社員は自己流に戻る
道具を渡した初日、社員は一度は開きます。何か聞いてみて、思ったような答えが返ってこない。聞き方を変えてみて、やはり違う。ここで多くの人が、勝手の分かっている元のやり方へ引き返します。会社が用意した環境が悪いのではなく、使い方を知らないまま渡されたからです。
戻った先は、会社が把握していない場所です。会社の側は「正式に用意した」と認識していて、実態は禁止していた頃と変わりません。ここでシャドーAIは再発します。しかも今度は、対策済みという認識の下で起きるので、誰も見に行きません。
シャドーAI対策は道具を与えず研修だけをしても変わらない
逆の順番も、うまくいきません。道具を用意しないまま研修だけを先に入れる会社があります。研修の場では、参加者は貸し出された環境で手を動かし、できるようになったと感じます。翌日、職場に戻ると使える環境がありません。1週間後には、覚えたことは残っていません。
研修は、道具がある会社では効き、道具がない会社では効きません。当社は研修を提供していますが、環境の話を飛ばして研修から入る提案はしません。順番を守った場合でも、教えて全員が変わるわけではありません。教えても使わない人は残ります。それでも、教えなければ元のやり方に戻ることだけは確かです。
シャドーAI対策で使い方を教えるとは、具体的に何を教えることか
「使い方を教える」と書くと、プロンプトの書き方講座を思い浮かべるかもしれません。シャドーAI対策で教えるのは、そこではありません。教えるのは3つです。
1つ目は、どこまで貼ってよいかです。ルールには「顧客の個人情報は入れない」と書いてあります。教えるのは、その線を目の前の商談メモにどう当てるかです。商談メモには、顧客の会社名、担当者の氏名、聞き出した予算感、競合の名前、雑談で出た人事の話が混ざっています。ここから何を消して貼るのか。実際のメモを1件持ってきて、その場で消す作業をやらせます。担当者の氏名は消す、会社名は業種に置き換える、予算感は残す。この判断を一度自分の手でやった社員は、次から迷いません。ルールを読ませるだけでは、これは起きません。
消したあとのメモで、実際に手を動かします。
以下は商談のメモです。提案の骨子を作ってください。構成は、顧客の課題/提案の方向性/想定される反論と返し/ネクストアクションでお願いします。メモに書かれていないことは推測せず、「情報なし」と書いてください。〔氏名と社名を消した商談メモを貼り付け〕
2つ目は、出力のどこを検証するかです。全文を読み直すよう教えると、誰もやりません。見るところを3つに決めます。数字、固有名詞、そして「だから」でつながっている箇所。生成AIが間違えるのはほぼここで、それ以外の言い回しは、多少ずれていても実害が出ません。上のプロンプトなら、「情報なし」と書かれるはずの場所に具体的な記述が出ていたら、それは作られたものです。見る場所を3つに絞れば、検証は1分で終わります。1分なら、現場は続けます。
3つ目は、うまくいった聞き方をチームに戻すことです。ここが、隠れて使っていたときには起きなかったことです。ある営業が、競合対策の材料を引き出す聞き方を見つけたとします。その聞き方が本人のメモに書いてあるだけなら、他の誰の成果にもなりません。週次の会議で1人1つ、今週うまくいった聞き方を口頭で言う。それだけで、個人の発見が組織のものになり始めます。仕組みを作るのは、そのあとです。
この3つは、社内で教えられる人がいるなら社内で構いません。研修の種類や選び方はAI研修とは?で解説しています。
シャドーAI対策のまとめ
- シャドーAIとは、会社が許可していない生成AIを社員が業務に使っている状態。チャット型だけでなく、既存のツールに後から付いたAI機能も含む
- 起きることは3つ。顧客情報が社外に渡る、出力の誤りが検証されないまま提案書に混ざる、うまくいった使い方が個人に閉じて組織に残らない
- 禁止は、使うのをやめさせず見えなくする。監視を増やしても、私物の端末や自宅の回線には届かず、道具がないという原因も消えない
- 進め方は5段階。実態把握、生成AIを1つ正式に用意、入れてよい情報の線引き、使い方を教える、見て更新する
- 実態把握は犯人探しにしない。どの業務に使い、何を入力し、何分縮んだかの3つを聞く
- 道具を渡しても、使い方を教えなければ社員は私物のアカウントに戻り、シャドーAIは対策済みという認識の下で再発する
- 教える中身は3つ。目の前の商談メモのどこまでを貼ってよいか、出力の数字・固有名詞・「だから」の3点を検証すること、うまくいった聞き方をチームに戻すこと
当社、株式会社AnataAIは、生成AIの活用・浸透を目的とした「生成AI研修」を提供しています。教える中身を社内だけで組み立てるのが難しい場合や、道具は用意したのに現場で使われていない場合は、お気軽にまずはご相談ください。営業組織向けの内容は営業向けAI活用研修で解説しています。
シャドーAI対策に関するよくある質問
Q1. シャドーAIとは何ですか?
A. 会社が許可・貸与していない生成AIを、社員が個人のアカウントなどで業務に使っている状態です。ChatGPTのようなチャット型だけでなく、議事録の自動作成や翻訳のように、これまで使ってきたツールに後から付いたAI機能も、会社が把握していなければ同じ状態にあります。個人が自分のAIを持ち込むという意味で、BYOAIと呼ばれることもあります。
Q2. シャドーAIは禁止すれば対策になりますか?
A. なりません。禁止しても、社員は使うのをやめるのではなく、露見しない方法を探します。会社から見える範囲が禁止前より狭くなるだけです。先にやるのは、会社として安全に使える生成AIを1つ正式に用意することです。使える道具があってはじめて、やってよい使い方といけない使い方を分ける意味が出てきます。
Q3. 社員がシャドーAIを使っているかは、どうすれば分かりますか?
A. 監視で見つけるより、使っている前提で業務を棚卸しするほうが早いです。前提として、実態の把握を犯人探しにしないことです。処分の気配が少しでもあれば、何を聞いても答えは返ってきません。具体的にどう聞き、何を聞き取るかは、本文の手順1で解説しています。
Q4. シャドーAIを使った社員は懲戒すべきですか?
A. おすすめしません。多くの場合、悪意ではなく、使える道具がないまま成果を出そうとした結果です。処分から入ると、他の社員は使うのをやめるのではなく、見つからない使い方に移ります。まず会社として道具と線引きを用意し、そのうえで守られないときにどうするかを考える順番です。なお、就業規則にどう位置づけるか、どの行為が処分の対象になるかは社内規程と個別の事情によるため、法務や社会保険労務士にご確認ください。
Q5. シャドーAI対策にAI研修は必須ですか?
A. 必須ではありません。ただし、使い方を教えなければ社員は自己流に戻るため、実態把握・道具の用意・線引きを終えた会社では、次に必要になるのは使い方を教えることです。社内に教えられる人がいるなら、外部の研修である必要はありません。分かれ目は外部かどうかではなく、教える中身を組み立てられる人が社内にいるかどうかです。
この記事を書いた人

村田 欣祥
株式会社AnataAI 代表取締役社長。2007年より人材ベンチャー、東証上場企業グループ会社の取締役社長を経て、2023年に株式会社ラクスへ入社。「楽楽精算」等の営業戦略に携わる。累計10年以上の営業組織マネジメントと経営経験を活かし、2026年にAnataAIを創業。
「営業職こそAIを武器に」を掲げ、現場目線の生成AI活用による営業DX・業務改善コンサルティングやAI研修を提供している。


