Copilot ノートブックとは?チャット・エージェントとの違い

Copilotノートブックに関する記事のイメージ図

結論:Copilot ノートブックは、たくさんの資料をまとめて読ませる機能です。エージェントは、決めた役割をいつでも呼び出せるようにする機能です。通常のチャットは、その都度Copilotが何を参照するかを決めます。ノートブックとエージェントは答え方の指示を設定できる点が同じで、違うのは使う場所、使える人、持ち主、資料の量、作れるものの5つです。

Copilotの左側のメニューに[ノートブック]があるのは見えているけれど、開かないまま毎日チャットだけを使っている。そういう方も多いと思います。

開かないままになる理由は、たいてい「チャットやエージェントと何が違うのか分からない」ことです。名前がそっくりなOneNoteのノートブックもあり、余計に見分けがつきません。

生成AI研修を行っている当社、株式会社AnataAIが、チャット・エージェント・OneNoteとの違いから、共有したときに何が起きるかまでを公式ドキュメントから整理しました。

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目次

Copilot ノートブックの参照に置けるのは、ファイルだけではない

結論:Copilot ノートブックの参照には、ファイルのほかにCopilotチャット、ページ、会議のノート、リンク、SharePointのフォルダーやサイトを置けます。何を根拠にさせたいかを先に決めて入れていきます。

Copilot ノートブック(Copilot Notebooks)は、Copilotに読ませたい資料を1か所に集める場所です。公式ドキュメントでは、Copilotとのチャット、ファイル、ページ、会議のノート、リンクなど、関連するものを1か所にまとめると説明されています(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックの使用を開始する」)。

集められるのはファイルだけではない、ということです。SharePointのフォルダーやサイトのような共有場所も、まとめて入れられます。

このうち「ページ」だけは、性格が違います。ページはCopilotで書き上げた文書を置く場所で、読ませる資料を置くノートブックとは役割が分かれています。

同じ公式ドキュメントには、より完全な形で使うならOneNoteでノートブックを開くように、とも書かれています。名前が同じOneNoteのノートブックとどう違うのかは、後の章でまとめて説明します。

Copilot ノートブックとチャット・エージェントは何が違うのか

結論:ノートブックとエージェントは、答え方の指示を設定できる点では同じです。違うのは、どこから使うか、誰が使えるか、誰のものか、どれだけの資料を読ませられるか、何が作れるかの5つです。先に「自分たちで使うのか、他の人にも使ってほしいのか」を決めると選びやすくなります。

チャットは毎回その場で根拠を決め、ノートブックは根拠を固定する

Copilotのチャットは、質問するたびに何を根拠にするかがその場で決まります。同じことを翌週もう一度聞いたとき、参照されるデータが前回と同じとは限りません。(そのチャット側で日々の営業業務をどこまで任せられるかは、Copilotは何ができる?9つの使い方もあわせてご覧ください。)

Copilot ノートブックは、根拠にする資料を先に決めて置いておく場所です。一度入れておけば、何度質問しても同じ資料の中から答えが返ってきます。見積書の様式集、製品の仕様書、社内規程のように、毎回同じものを見せたい資料がある仕事に向いています。

エージェントは、決めた役割を呼び出して使う

エージェントは、答え方の指示と参照先を先に決めておき、必要なときに呼び出して使う仕組みです。左側の一覧から選ぶほか、チャットの途中で呼び出すこともできます。

自分ひとりで使うエージェントを作ることもできますが、共有したり、組織のカタログに出したりすれば、使う人を広げることもできます。

ノートブックとエージェントは、5つのところが違う

答え方の指示を書けるのはエージェントだけ、と思われがちですが、Copilot ノートブックにも同じように設定できます。では違いは何か?5つに整理してみます。

  • どこから使うか。ノートブックは選択して使います。エージェントは一覧から選ぶほか、チャットの途中で呼び出せます。
  • 誰が使えるか。ノートブックはグループや個人を招待し、招待した人は全員が中身を編集できます。エージェントは[編集可能]と[チャット可能]の2つの役割から選んで渡せます。
  • 誰のものか。ノートブックは作った人の個人の保存場所に入ります。エージェントは所有者を複数置けます。
  • どれだけの資料を読ませられるか。件数が大きく違います(次の段落)。
  • 何が作れるか。ノートブックの中では、グラフや画像そのものは作れません。

使い分けの例で言うと、問い合わせへの答え方を部署の全員に同じ形で使ってほしいならエージェント、見積書の様式集を営業企画の数人で読み込むならノートブックです。

4つ目に挙げた資料の量は、数字にすると差がはっきりします。根拠に使われる件数はライセンスで変わります。Microsoft Copilotライセンスでは、Copilotがノートブック内の最大300ファイルを使って回答を作ります(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックのしくみ」)。Copilot Chatライセンスでは参照を最大50件まで追加でき、その50件すべてが根拠に使われます(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックへの参照を追加する」)。エージェントの場合、読ませられるナレッジは最大20個までで(出典:Microsoft Learn「エージェント ビルダーを使用してエージェントをビルドする」)、使える種類は契約しているライセンスで変わります。読ませたい資料が多いほど、ノートブックのほうが向きます。

OneNote のノートブックとは、名前が同じだけの別物

結論:OneNoteのノートブックは、自分でメモを書いて並べていくノートアプリです。Copilot ノートブックは、AIに読ませる資料を集める場所です。名前は同じでも役割が違い、必要なライセンスも違います。いまは同じノートブックを、Copilotのアプリからも、OneNoteからも開けます。

OneNote は、メモを自分で並べて貯めていくノートアプリ

OneNoteは、マイクロソフトのデジタルノートアプリです。セクションとページという単位で、自分でメモを並べていきます。使えるのはMicrosoft 365 アカウントまたはOfficeライセンスを持つ人で、Copilotライセンスは要りません(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックと OneNote ノートブックの比較」)。

Copilot のノートブックは、AIに読ませる資料を1か所に集める場所

同じ比較ページでは、Copilot ノートブックは「Microsoft Copilot 内の AI 搭載のノートブック機能」と説明されています。使うにはMicrosoft CopilotライセンスまたはCopilot Chatライセンスが必要です。並べ方も違い、OneNoteはセクションとページで自分が並べるのに対し、Copilot ノートブックは参照資料を中心に構成されます。

いまは Copilot のノートブックが OneNote の中にも入っている

分かりにくさの元がここです。公式ドキュメントには「Copilot ノートブックは OneNote 自体に組み込まれるようになりました」と書かれています(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックと OneNote ノートブックの比較」)。Copilotアプリでノートブックを開くと右側に[OneNote で利用可能]があり、そこから同じノートブックを開くことができます。

ただし開くアプリが違うだけ、とも言い切れません。OneNote側には、インフォグラフィックやマインドマップなどの[作成]の項目が並んでおり、Copilotのアプリ側には見当たりません。公式ドキュメントはCopilotのアプリ側の手順としてインフォグラフィックの作り方を案内しており(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot アプリを使用してインフォグラフィックを作成する」)、一部の機能は段階的にロールアウトされ、まだ利用できない可能性があるとも案内されているため(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックのカスタム手順を提供する」)、提供の途中と考えられます。(当社環境)

Copilot ノートブックの開き方と、最初の1冊の作り方

結論:Copilot ノートブックは、左側のナビゲーションにある[ノートブック]から作ります。名前を付けて参照に資料を入れ、[作成]を選べば1冊できます。すでにCopilotのライセンスがあれば使うことができます。

新しいノートブックを作り、参照を入れるまで

左側のナビゲーションにある[ノートブック]の、[新しいノートブック]を選んで名前を付け、参照にコンテンツを追加し、[作成]を選ぶと1冊できます。

参照の入れ方は5通りあります。検索バーに資料の名前を入れて候補から選ぶ、[アップロード]からファイルを選ぶ、[リンク]からURLを入れる、OneDriveのアイコンからファイルやフォルダーごと選ぶ、ファイルをそのままドラッグして落とす、です。扱えるのはWordやPowerPoint、Excel、PDFなどのファイルとOneNoteのページです(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックへの参照を追加する」)。

最初の1冊は、毎週同じことを聞かれている資料から作るのが早いです。製品の仕様書とよくある質問集を入れ、「この2つの資料だけを見て、この質問に答えてください」と聞く形です。

Copilot ノートブックのために別に買い足すものはあるか

すでにMicrosoft CopilotライセンスまたはCopilot Chatライセンスを契約していれば、別に買い足すものはありません。1つだけ前提があり、ノートブックを作るにはアカウントにSharePointまたはOneDriveのライセンス(サービスプラン)が必要です(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックについてよく寄せられる質問」)。割り当ては管理者側で確認できます。

Copilot ノートブックでできることは、集めた内容を別の形にすること

結論:集めた資料をもとに、音声の要約、インフォグラフィック、マインドマップを作れます。答え方の指示をノートブックごとに決めることもできます。反対に、ノートブックの中でグラフや画像そのものを作ることはできません。

音声やマインドマップで、ノートブックの内容を別の形にする

公式ドキュメントに名前が挙がっているのは、オーディオの概要、インフォグラフィック、マインドマップです(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックの使用を開始する」)。要点を音声で聞ける形にする、1枚の図にまとめる、論点のつながりを枝分かれの図にする、の3つです。

答え方の指示を決める、話し合いの記録を取り込む

Copilot ノートブックには、ノートブックごとに答え方を決めておく欄があります。応答の書式、どのトピックに絞るか、どんなトーンで返すかを指定できます。「回答は必ず箇条書きにして、根拠にしたファイル名を最後に書いてください」のような書き方です。

設定の場所は2つあります。Copilotのアプリでは右上隅の[その他のオプション(…)]から[手順]、OneNoteでは左上隅のノートブック名の横にある矢印から[Copilot の指示]に進みます(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックのカスタム手順を提供する」)。

当社が契約している環境では、Copilotのアプリ側はメニューが[手順]、ダイアログが「Copilot に返信方法を指示する」、OneNote側はメニューが[Copilot の手順]、ダイアログが「Copilot に返信方法を伝える」でした。中身は同じ設定で、入力欄の上限は8,000文字と表示されていました。呼び名が4通りあるため、公式の表記だけを頼りに探すと見つからないことがあります。

ここまでは答え方の指示でした。集める資料そのものを増やす手立てとして、Captureという機能もあります。対面の打ち合わせやホワイトボードを使った話し合い、他社のビデオ会議を、文字起こしや写真としてノートブックに取り込むものです。取り込んだ内容は、そのままCopilotへの質問の材料になります。会社や学校のアカウントでCopilotのライセンスがある場合に使え、いまはOneNoteのiPhone・iPad版から順に提供されています(出典:Microsoft Support「Copilot ノートブックで会話をCaptureする」)。

ノートブックに追加すると、その資料が回答の根拠になる

Captureで取り込んだ記録も、ファイルと同じように参照に入ります。参照に入れた資料だけが回答の根拠になり、入れていない資料をCopilotは見に行きません。

気をつけたいのは、SharePointのフォルダーやサイトをまとめて追加したときです。公式ドキュメントには、その場所でアクセスできるファイルを対象に、プロンプトに最も関連性の高い最大300ファイルを選択して使う、と書かれています(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックのしくみ」)。この件数もライセンスで変わります。フォルダーごと入れても資料は選ばれるため、必ず読ませたいものはノートブックに直接追加してください。

共有すると、Copilot ノートブックの中のファイルの権限まで動く

結論:Copilot ノートブックを共有すると、ノートブックだけでなく、中に入れた参照ファイルへのアクセス権も相手に渡ります。相手に渡せる権限の細かさやメンバーの入れ方にも制約があるため、部署で使うなら別の受け方を先に決めておくことになります。

招待した人は全員が編集でき、読み取り専用にはできない

共有は、ノートブックの右上にある[共有]から、名前かメールアドレスを入れて[招待]を選びます(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックを共有する」)。

この画面で権限の細かさを選ぶ設定は、現時点ではありません。読み取り専用のメンバーを含められるかという質問への回答として、公式ドキュメントには「現在はサポートされていません。ノートブックに招待したユーザーは、すべてのユーザーがノートブックの編集アクセス権を持ちます」と書かれています(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックについてよく寄せられる質問」)。招待した全員が、参照を外すことも資料を足すこともできます。

同じCopilotでも、エージェントは[編集可能]と[チャット可能]の2つの役割から選んで共有でき、使うだけの人には[チャット可能]を渡せます。ライセンス別に何が作れるかも含めて、Copilotエージェントの作り方は?ライセンス別にできることで扱っています。

参照ファイルの権限は原則そのまま渡るが、渡らないものもある

原則は自動で渡ります。公式ドキュメントには、受信者はリンクされたすべてのファイルに自動的に招待される、と書かれています(出典:Microsoft Support「Microsoft Copilot ノートブックを共有する」)。

ただし、渡らないものもあります。前提として、共有する側が、参照に入れた各ファイルの共有権限を持っている必要があります。持っていないファイルは相手に渡らず、受け取った側が個別にアクセス許可を求めることになります。権限を自動で移せなかったファイルも、制限されたまま残ることがあります。

もう1つ、参照にOneNoteのセクションやページを入れている場合は、OneNote ノートブック全体を共有することになります。1セクションだけ見せたつもりが、想定より広く開きます。

共有したときの対象相手に渡るか
ノートブック本体渡る。招待した人は全員が編集者になる
参照に入れたファイル原則は自動で招待される
権限を自動で転送できなかったファイル渡らない。受け取った側が個別に依頼する
参照に入れたOneNoteのセクション・ページOneNote ノートブック全体を共有することになる

同じノートブックでも、ライセンスによって見える範囲が違う

共有する前に、相手のライセンスも見ておきます。同じ共有ページには「プレミアム ソースにアクセスできるのは、Microsoft Copilot ユーザーのみです」と書かれており、Copilot Chatライセンスしか持っていない人には見えない範囲が出ます。同じノートブックを開いていても、根拠にできる資料が人によって違います。ライセンスが混在しているなら、誰にどちらが割り当たっているかを先に一覧にしておいてください。

引き継ぎが要る資料は、ノートブックだけに置かない

担当者が異動や退職をしたときのことも、先に決めておきます。Microsoft Learn には、ユーザーが組織を離れる場合、出発時に1つの手動引き継ぎ手順(アクセスと通知は自動ではありません)と、コンテナーを新しい所有者に完全に再割り当てするオプションがある、と書かれています(出典:Microsoft Learn「Copilot ページと Copilot ノートブックのガバナンス、ライフサイクル、コンプライアンス機能の概要」)。この1手順を、退職や異動の手続きに組み込みます。

同じページには、Copilot ノートブックにはエンドユーザーのごみ箱が存在せず、個別に削除したノートブックは管理者もエンドユーザーも復元できない、とも書かれています。

戻せない以上、消える前に社内のルール側で押さえることになります。情報システム側で確認する先は3つです。作成をオンオフするクラウドポリシー、すべてのSharePointサイト向けに構成したアイテム保持ポリシー、電子情報開示と法的ホールドです。いずれもCopilot ノートブックに適用されると書かれています。

設定で押さえたうえで、置き場所も決めておきます。引き継ぎが前提になる資料は、ノートブックだけに置かないという運用です。社内に散らばった知識を見つけて型にし、使われ続ける形にしていく進め方は、生成AIでナレッジマネジメントはどう変わる?で整理しています。

まとめ

  • Copilot ノートブックは、たくさんの資料をまとめて読ませる機能。エージェントは、決めた役割を呼び出して使う機能。通常のチャットは、その都度Copilotが何を参照するかを決める。
  • OneNoteのノートブックとは役割もライセンスも別物。ただしいまは同じノートブックを、どちらからも開ける。
  • 共有すると、中に入れた参照ファイルへのアクセス権も原則そのまま渡る。渡らなかった分は受け取った側が個別に依頼する。

当社、株式会社AnataAIは、社内で生成AIを使えるようにするための生成AI研修と定着支援を行っています。社内だけで進めるのが難しい場合は、ご相談ください。

Copilot ノートブックでよくある質問

Q1. ノートブックに入れた資料は、AIの学習に使われますか?

A. 使われません。マイクロソフトの公式ドキュメントでは、Copilot ノートブックでは大規模言語モデルのトレーニングにユーザーデータは使用されない、と案内されています。社内へ広げる前に管理者が確認しておく点です。

Q2. Copilotへの指示は、どれくらいの長さまで書けますか?

A. 当社が契約している環境では、8,000文字までと表示されていました。答え方の型(箇条書きにする、語調、触れてよい範囲)を書くには足りる長さです。書き方と設定の場所は、マイクロソフトの公式ドキュメントに案内があります。画面の表記や上限は環境によって違うことがあるため、実際の欄で確かめてください。

Q3. 個人向けのMicrosoft 365でも使えますか?

A. 使えますが、一部の機能は利用できません。マイクロソフトの公式ドキュメントでは、CaptureやMind Mapsなどの機能はPersonal、Family、Premiumのプランでは利用できないと案内されています。ノートブックの共有も、これらのプランではまだ利用できないとされています。

この記事を書いた人

株式会社AnataAI 代表取締役社長 村田欣祥

村田 欣祥

株式会社AnataAI 代表取締役社長。2007年より人材ベンチャー、東証上場企業グループ会社の取締役社長を経て、2023年に株式会社ラクスへ入社。「楽楽精算」等の営業戦略に携わる。累計10年以上の営業組織マネジメントと経営経験を活かし、2026年にAnataAIを創業。

「営業職こそAIを武器に」を掲げ、現場目線の生成AI活用による営業DX・業務改善コンサルティングやAI研修を提供している。

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