Copilotを定着させるには?方針の発信から業務の型化まで

Copilotの定着に関する記事のイメージ図

結論:Copilotの定着は、トップによる方針の発信から始め、全員が自由に使い、推進チームが業務を型にする順で進めます。自由に使うだけでは成果を説明できないため、型をエージェントにして型ごとに使った人を数え、会社で決めた定着の基準と業務の変化で上司に報告します。

Copilotを導入したのに使う人が増えず、上司から定着を任されると、何から手を付けるかで迷います。社員が使える状態を用意するだけでは、よく使う人と使わない人の差が残ったままになります。

定着の進め方を、トップの方針の発信から型の利用状況まで5つの段階に分けて紹介します。後半では、業務の型をエージェントにして、型ごとに使った人を管理画面で数える方法も扱います。

Copilot研修を行う株式会社AnataAIが、定着の進め方をMicrosoftの公式ドキュメントと当社のCopilotの画面をもとにまとめました。

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目次

Copilotの定着は5つの段階で進める

結論:前の段階で出た課題が次の段階へ進む理由になるため、①から⑤の順に進めます。

段階やること次に出てくる課題
① 方針の発信経営と部長・課長がAI活用を進めると伝える使い方が人任せになる
② 自由に使う有料版・無料版を問わず全員が使い、使う人の数を見る使う人の差・属人化・成果と費用対効果を説明できない
③ 推進チーム社内のAI好きを中心にプロジェクトにする何を広めるかを決める
④ 業務の型化一定期間で、ある業務を1つ決めて型にする型が使われているかを確かめる
⑤ 型の利用状況型ごとに使った人を数える上司への報告とライセンスの見直し

Copilotが定着しないと感じたら、自社が表のどの段階まで進んでいるかを確かめます。②で止まったまま導入が失敗だったと判断する前に、③から⑤までの計画を立てます。

Copilotの定着はトップによる方針の発信から

結論:社員が自分の業務でCopilotを使ってよいと分かるように、経営と部長・課長が方針を自分の言葉で伝えます。

経営が会社としてAI活用を進めると伝える

社長メッセージ・中期経営計画・全社会議などで、会社としてAI活用を進めると伝えます。Microsoftの導入ガイドも、経営層からAI活用の担当者を決めることを挙げ、その担当者が会社でCopilotを導入する理由を全従業員に伝える助けになるとしています(出典:Microsoft Adoption「Plan」)。伝えることは2つで、なぜCopilotを入れたかと何に使ってほしいかです。

部長や課長も自組織の方針として言葉にする

全社の方針だけでは、社員は自分の部署で使ってよいのかを判断できません。例えば総務部長なら、朝会で「社内の問い合わせへの回答の下書きを今月からCopilotで作ってみてください」と自分の言葉で伝えます。

方針と一緒に入れてよい情報を決める

方針だけを出すと、社員は顧客の名前や社内の数字をCopilotに入れてよいのかでためらいます。入れてよい情報の線引きは方針と同じ時期に出します。決め方はCopilotの情報漏洩を防ぐ方法を解説した記事で紹介しています。

まずはCopilotを自由に使ってもらう

結論:有料版・無料版を問わず全員が使える状態にし、使用状況レポートで使う人と使わない人の差を確かめます。

社員全員がCopilotを使える状態にする

有料版は社員ごとにライセンスを追加して使うため、ライセンスがない社員は職場のアカウントで無料版を使える状態にします。Copilotに頼める仕事の例はCopilotは何ができる?9つの便利な使い方とはで紹介しています。

使用状況レポートで使う人の数を見る

使う人の数は、Microsoft 365 管理センターの[利用状況]→[Microsoft 365 Copilot]にある[Copilot](有料版)と[Copilot Chat](有料版のライセンスがない社員)で見られます。製品名はMicrosoft Copilotに変わりましたが、当社の画面の区分は旧名のままでした。[Copilot]のレポートでは、自分からCopilotの機能を使った人を[アクティブなユーザー]として、プロンプトを送ると数えます(出典:Microsoft Learn「Microsoft Copilot の使用状況レポート」)。社員ごとの表に[アクティブな日数]が出るため、使う人と使わない人の差がここで見えます。

ユーザー名は既定で表示されないため、管理者がレポートの設定で表示に切り替えます。社員の名前を見る人は推進に必要な人だけに絞ります。

何をもって定着とするかは会社ごとに決めます。参考として、Viva InsightsにあるMicrosoftのCopilot ダッシュボードでは有料版の社員を12週間の使い方で次のように分けています。

使用レベル使う回数使った週
パワーユーザー週に平均15回以上過去12週のうち9週以上
習慣的なユーザー週に平均1〜14回過去12週のうち9週以上
初心者ユーザー平均1回以上過去12週のうち9週未満

使用レベルは有料版のライセンスを持つ人の区分で、無料版の社員には出ません。人数が最小グループサイズに届かないグループの数字も表示されません(出典:Microsoft Learn「Microsoft 365 の顧客向けの Microsoft Copilot ダッシュボードに接続する」)。ライセンスが少ない当社の画面でも、導入の数字は表示されませんでした。

自由に使うと出てくる課題

使用状況レポートを見ると、アクティブな日数が多い人と0日の人に分かれます。よく使う人の頼み方は本人の中にしかなく、隣の人には伝わりません。使用状況レポートはプロンプトの数・使った日・使ったアプリを数えますが、何の業務に使ったかは数えません。ダッシュボードの「Copilot アシスト時間」も操作1回につき6分などの係数を掛けた推計で、業務の成果を測った数字とは別のものです。業務の単位で数えないレポートだけでは、成果も費用対効果も上司に説明できません。

Copilotの推進チームをつくる

結論:社内のAI好きを中心に推進チームを集め、期間と担当を決めたプロジェクトにします。期間は半期の目標に合わせて例えば6か月にします。

社内のAI好きを中心に集める

推進チームの候補は、名前を表示した使用状況レポートでアクティブな日数が多い人です。前述のMicrosoftの導入ガイドも、同じ業務や部署で働き導入に前向きな人から推進役を選ぶよう勧めています。部署から1人ずつと情報システムの担当者を入れると、使用状況レポートをチームで確かめられます。

プロジェクトにして期限と担当を決める

プロジェクトでは期間・やること・担当・上司への報告日を決めます。期間は例えば6か月です。半期で目標を設定する会社が多く、目標と報告の時期をそろえやすいためです。

人や時間が足りなければ外部パートナーと進める

専任の人がいない場合や型をつくった経験がない場合は、外部パートナーと進める方法もあります。当社、株式会社AnataAIは、Copilotの研修や、導入支援を行っておりますので、まずは以下の資料をご覧ください。

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Copilotで使う業務を決めて型にする

結論:型にする業務は使う機会が毎週ある業務から1つ選び、頼み方・渡すもの・合格の基準を書き出します。

その組織で毎週ある業務を1つ選ぶ

毎週ある業務なら使う機会も毎週あり、使い続ける習慣になりやすくなります。月に1回の業務だけでは12週のうち3週ほどしか使わず、Microsoftの9週を参考にする場合も届きません。例えば営業なら週次の案件一覧から連絡が必要な案件を抜き出す業務、総務なら1週間分の社内の問い合わせをまとめる業務などです。

頼み方と渡すもの・合格の基準を決める

営業の業務なら、Copilotに「添付した案件一覧から今週中に連絡が必要な案件だけを表の形のまま抜き出し、選んだ理由を1行ずつ添えてください」と頼みます。渡すものはファイルを添付するか名前で指定し、表は表のまま渡します。合格の基準は答えに何が書かれていれば使えるかで決めます。この業務なら連絡が必要な案件が漏れていないことと、案件ごとに理由が1行付いていることです。属人化から型化へ進めるには、よく使う人の頼み方を推進チームが聞き取って型に書き出します。

型をエージェントにして部署で共有する

型の指示と参照するファイルをエージェントにして共有すると、共有した相手が同じ頼み方で使えます。無料版の社員が使える条件はエージェントが参照する情報によって変わります。エージェントの作り方とライセンスごとにできることはCopilotエージェントの作り方は?ライセンス別にできることで紹介しています。

Copilotの型の利用状況を見る

結論:報告の主な数字には推進チームが測った業務の変化を使い、Copilot アシスト時間は推計として別に置きます。使われていない有料版のライセンスは型を使う人へ移します。

エージェントの使用状況レポートで型を使った人を数える

管理センターの[利用状況]→[Microsoft 365 Copilot]→[エージェント]では、エージェントごとに[アクティブ ユーザー (ライセンスあり)]と[アクティブ ユーザー (ライセンスなし)]が過去7日か30日で出ます(出典:Microsoft Learn「Microsoft Copilot エージェントの使用状況レポート (プレビュー)」)。有料版と無料版の人を分けて数えられ、エージェントビルダーで作って社内で共有したエージェントも対象です。

②で見た使用状況レポートは誰が使ったかまでですが、型をエージェントにすると型ごとに誰が使ったかまで分かります。このレポートはプレビューのため、画面や項目が変わる可能性があります。

型を使った業務の変化で成果を説明する

上司への報告では型を使った人の数と、その業務で変わったことを並べます。作業時間や合格の基準に届いた回数は推進チームが測ります。

報告の項目前回今回出どころ
型を使った人の数(30日)(記入)(記入)エージェントの使用状況レポート
定着の基準に届いた人の数(記入)(記入)社内の基準(参考:Microsoftの使用レベル)
業務で変わったこと(記入)(記入)推進チームが測る

費用対効果は、推進チームが測った短縮時間と型を使った人の数を並べて説明します。

使われていない有料版のライセンスは型を使う人へ移す

有料版の使用状況レポートで[最終アクティビティ日 (UTC)]が古い人からライセンスを外し、無料版で型をよく使う人に割り当てます。ダッシュボードの推奨カードも、無料版をよく使う人を有料版のライセンスの最有力候補としています。Viva Insightsのライセンスがない人は有料版のライセンスを外すとダッシュボードの分析から消えるため、報告に使う数字は外す前に書き出します。

Copilotの定着のまとめ

  • 経営と部長・課長がAI活用を進める方針と入れてよい情報を伝えます。
  • 全員がCopilotを使える状態にし、使う人と使わない人の差を確かめます。
  • 社内のAI好きを中心に推進チームをつくり、例えば6か月のプロジェクトにします。
  • 一定期間である業務の頼み方と合格の基準を型にし、エージェントにして共有します。
  • エージェントの使用状況レポートで型ごとの利用を見て、上司に報告します。

株式会社AnataAIは、「Copilot研修」や「AI導入支援」を提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

Copilotの定着でよくある質問

Q1. Microsoftの「12週のうち9週」は週に1回使えばその週に数えますか?

A. 数えます。Microsoftの公式ドキュメントでは、12週の間にCopilotの操作を1回以上した週を数えます。ウィンドウを開いただけでは数えず、プロンプトの送信や要約などの操作で数えます。

Q2. 無料版の社員は使った週をどう数えますか?

A. 会社で数え方を決めます。Copilot ダッシュボードの使用レベルは無料版の社員には出ません。一例として、[Copilot Chat]の使用状況レポートを過去7日の期間で毎週書き出し、[アクティブな日数]が1日以上の週を数える方法があります。Microsoftの「12週のうち9週」とは数え方が違うため、社内の基準として扱います。

Q3. 有料版のライセンスが少なくてもCopilot ダッシュボードは見られますか?

A. 見られます。Microsoftの公式ドキュメントでは、有料版のライセンスが1つ以上あればデータの処理が始まり、有料のViva Insightsライセンスがなくても見られます。有料版とViva Insightsのライセンスがどちらも50未満の会社では、ベンチマークなど一部の機能が含まれません。人数が最小グループサイズに届かないと数字は表示されません。見られる人は管理者が設定で追加できます。

この記事を書いた人

株式会社AnataAI 代表取締役社長 村田欣祥

村田 欣祥

株式会社AnataAI 代表取締役社長。2007年より人材ベンチャー、東証上場企業グループ会社の取締役社長を経て、2023年に株式会社ラクスへ入社。「楽楽精算」等の営業戦略に携わる。累計10年以上の営業組織マネジメントと経営経験を活かし、2026年にAnataAIを創業。

「営業職こそAIを武器に」を掲げ、現場目線の生成AI活用による営業DX・業務改善コンサルティングやAI研修を提供している。

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